
フロアヒンジ:扉の動きを制御する
建具の開閉を滑らかにし、動きを制御する装置、それが床に取り付ける蝶番のような役割を果たす床蝶番です。床に埋め込まれた本体と、建具の下部に設置された軸が繋がることで、建具の重さを支え、安定した開閉を実現しています。
一見、単純な構造に見えますが、床蝶番は精密な部品と高度な技術の組み合わせによって作られています。床蝶番の内部には、油の圧力を使った装置や、ばねなどの機構が組み込まれており、これらが建具の動きを制御しています。具体的には、開閉の速さを調整したり、特定の角度で建具を止めるといった機能が挙げられます。
これらの機構が、建具の開閉時の衝撃を吸収し、静かで滑らかな動きを実現する重要な役割を担っています。例えば、自動的に建具を閉める機能を持つ床蝶番の場合、閉まる直前の速度を緩やかにすることで、大きな音や衝撃を防ぎます。また、特定の角度で建具を固定する機能は、風で建具が急に開いたり閉まったりするのを防ぎ、安全性を高めます。
床蝶番は、建具の大きさや重さに合わせて様々な種類が用意されています。建具の重量が大きくなるほど、それを支える床蝶番にも大きな力が加わるため、適切な耐荷重の床蝶番を選ぶ必要があります。また、建具の用途や設置場所によっても、求められる機能は異なります。例えば、人通りの多い場所では、開閉がスムーズで、かつ安全に配慮した床蝶番が求められます。このように、床蝶番は建具の快適で安全な開閉を支える、重要な役割を担っているのです。