
建物を形にする実施設計
家を建てるということは、幾つもの段階を踏んで完成させていく壮大な計画です。その中で、設計図の作成は家の完成形を左右する重要な役割を担っています。設計図もまた、幾つかの段階を経て完成へと近づいていきます。まず、家の大まかな間取りや外観を決めるのが基本設計です。そして、この基本設計に基づいて、より具体的な内容を詰めていくのが実施設計です。
実施設計とは、まさに家を建てるための設計図を完成させる最終段階と言えるでしょう。基本設計で決めた間取りを元に、コンセントの位置や数、窓の大きさや種類、壁に使う材料の種類や色、床材の種類、照明器具の種類や設置場所など、実際に工事を始める際に必要なあらゆる情報を盛り込みます。家の細部に至るまで、一つ一つ丁寧に設計図に落とし込んでいく作業です。まるで、職人の皆さんが迷うことなく作業を進められるように、道しるべを作るようなものです。
例えば、リビングに置くテレビの位置を考えてみましょう。基本設計では、リビングの広さや配置だけが決まっています。実施設計では、テレビを置く壁の位置や大きさ、配線やコンセントの位置、さらにはテレビを見るのに最適な照明の配置までを具体的に決めていきます。また、キッチンであれば、シンクやコンロ、冷蔵庫の配置だけでなく、収納棚の大きさや数、換気扇の位置なども細かく設計します。
このように、実施設計は家の完成形を具体的にイメージし、それを実現するための詳細な指示書を作成する作業です。この実施設計図がなければ、家を建てることはできません。だからこそ、実施設計は家づくりにおいて非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。まさに、夢のマイホームを実現するための、最後の仕上げと言える工程です。