
実測売買:土地売買の基礎知識
実測売買とは、土地の売買を行う際、実際に土地を測量した結果に基づいて取引価格を決める方法です。売主と買主が共に土地の広さをきちんと把握した上で売買契約を結ぶため、面積に関する認識の違いによるトラブルを防ぎ、公正な取引を実現できます。
この方法は、土地の値段が面積に比例して決まるという明確な基準に基づいているため、売買の両者にとって金額の根拠が分かりやすく、安心感につながります。特に、地価の高い都市部では、わずかな面積の違いが大きな価格差を生むため、実測売買の重要性はより高まります。例えば、都心の一等地で数平方メートルの誤差があった場合、数百万円単位の金額差が生じる可能性も考えられます。このような高額な取引において、実測売買は金額の透明性を確保し、売買当事者間の信頼関係を築く上で重要な役割を果たします。
実測売買は、面積の誤差に起因するトラブルを未然に防ぐ効果もあります。登記簿に記載されている面積と実際の面積が異なるケースは少なくありません。登記簿の面積は過去の測量に基づいているため、時間の経過とともに地形の変化や測量技術の進歩により誤差が生じる可能性があります。このような誤差が原因で、売買後に思わぬ金額の差額が発生したり、境界線に関する争いが起きたりするケースも想定されます。実測売買を行うことで、最新の測量技術を用いて正確な面積を把握できるため、このようなトラブルを避けることができます。
近年、測量技術の進歩により、より正確で迅速に土地の面積を測量することが可能になりました。ドローンやGPS測量など、新しい技術の導入により、従来よりも効率的に測量作業が行えるようになり、コストの削減にもつながっています。こうした技術革新も、実測売買の普及を後押しする要因の一つと言えるでしょう。実測売買は、売買当事者双方にとってメリットの大きい、公正で透明性の高い土地取引を実現するための重要な方法です。