
不動産評価額を理解する
土地や建物を売買したり、相続したりする際には、その価値を正しく把握することがとても大切です。その価値を示すのが評価額ですが、実は評価額にはいくつかの種類があり、それぞれ算出方法や目的が違います。主な評価額の種類を説明します。
まず、市場で実際に売買されている価格、つまり取引価格のことを実勢価格と言います。これは需要と供給のバランスで決まるため、常に変動します。不動産取引の際の重要な指標となります。実勢価格は市場の動向を反映した価格なので、今どれくらいで売買されているのかを知る上で最も参考になるでしょう。
次に、国土交通省が毎年1月1日時点の標準的な土地の価格を公表しているのが公示地価です。これは都市計画税や相続税の計算の際に基準の一つとして使われます。公示地価は主要な道路に面した土地の価格を評価しているため、実際の取引価格よりも高い傾向があります。
相続税を計算する際に用いるのが相続税評価額です。これは一般的に公示地価の約8割とされており、公示地価よりも低い金額です。
固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税を計算するための基準となる評価額です。こちらは市町村が評価を行い、3年に一度評価額を見直すことになっています。
最後に、不動産鑑定士が専門的な知識と経験に基づき、不動産の経済価値を評価するのが鑑定評価額です。これは不動産の売買や相続、裁判など、様々な場面で活用されます。鑑定評価額は客観的で信頼性が高いため、重要な判断材料となります。
このように、評価額には様々な種類があり、それぞれ目的や算出方法が異なります。そのため、同じ不動産であっても、評価額の種類によって金額が異なる場合があるので、目的に合った評価額の種類を理解しておくことが大切です。