
線引き:都市計画の区域区分
線引きとは、都市計画区域内で、都市として発展させる場所と、発展させずに自然環境などを守る場所を分けることです。簡単に言うと、都市と自然の境界線を引く作業と言えるでしょう。この境界線によって、都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域の二つに分けられます。
市街化区域は、都市としての機能を高めることを目的とした区域です。道路や公園、上下水道などの公共設備が優先的に整備され、住宅や商業施設なども建てやすくなっています。この区域は、都市の中心部として発展していくことが期待され、人々が快適に暮らせるように計画的に整備が進められます。まるで植物が育つのに適した土壌のように、都市がすくすくと成長していくための基盤が整えられた場所と言えるでしょう。
一方、市街化調整区域は、市街化区域とは反対に、都市化を抑えることを目的とした区域です。豊かな自然環境や農地などを守り、開発を制限することで、自然との調和を図ります。この区域では、建物の新築や増築などが原則として認められず、都市化の波から自然を守っています。まるで緑豊かな森林のように、貴重な自然を守り育てるための場所と言えるでしょう。
線引きは、都市計画法という法律に基づいて行われます。地域ごとの自然環境や人口、産業などの状況を考慮し、それぞれの地域に合った線引きが定められます。この線引きによって、都市の健全な発展と自然環境の保全の両立を目指しています。都市と自然のバランスを保ち、持続可能な社会を実現するためには、線引きは欠かせないものと言えるでしょう。