
地域を繋ぐコミュニティバス
地域の人々の移動手段を確保するために、市町村などの地方公共団体が中心となって運行しているバスを、コミュニティバスと呼びます。路線バスを運行する民間企業では採算が合わないなどの理由で、バスが走っていない地域で、人々の生活を支える大切な役割を担っています。明確な定義はありませんが、運行の仕方は様々です。地方公共団体が自ら運行する場合もあれば、民間のバス会社に委託する場合もあります。また、乗り合い自動車のような小さな車両を使う場合もあり、それぞれの地域の実情に合わせて、柔軟な運行の仕方がとられています。
運行にかかる費用を抑えるために、地域住民の有志が運転や運行管理を手伝う場合もあります。このように、コミュニティバスは地域の人々の協力のもと、地域に密着した形で運営されていることが多く見られます。
近年、人口が減少し高齢化が進む地域では、移動手段の確保が大きな問題となっています。コミュニティバスは、こうした地域で人々の移動手段を確保するだけでなく、地域間の交流を促し、地域社会の活性化にも役立っています。買い物や通院といった日常生活の足としてだけでなく、地域の人々が集まる場所への移動手段としても活用され、高齢者の社会参加を促進する効果も期待されています。
地域によっては、観光客の利用も想定して、地域の観光スポットを巡るルートを設定している場合もあります。これにより、地域の魅力を発信し、観光振興にも貢献しています。コミュニティバスは単なる移動手段ではなく、地域社会を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。運行の工夫や地域住民との連携を通して、コミュニティバスは今後も様々な形で地域に貢献していくことが期待されます。