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税金

減価償却:価値の減少を費用化

『減価償却』とは、建物や機械など、長い期間にわたって事業で使う高額な資産の価値が、時間とともに少しずつ低下していく様子を、帳簿に記録するための手続きです。 たとえば、工場で新しい機械を購入したとします。この機械は購入後すぐに壊れてしまうようなものではなく、何年も使い続けることで製品を作り、利益を生み出してくれるでしょう。しかし、どんな機械でも使えば使うほど古くなり、やがては壊れたり、新しい機械に買い替えたりする必要が生じます。 この「古くなること」による価値の低下を、会計上では『費用』として計上する必要があります。もし、機械を購入した年に全額を費用として計上してしまうと、その年は大きな損失が出てしまいますが、その後何年も利益が出ているのに、機械の費用は計上されなくなってしまうため、正しい利益を把握することができません。 そこで、機械の購入費用を、その機械が使えるであろう期間(耐用年数)に分割して、毎年少しずつ費用として計上していくのです。これが減価償却です。 例えば、1000万円で購入した機械を10年間使うと想定した場合、1年あたり100万円ずつ費用として計上していきます。このようにすることで、機械が利益を生み出している期間に、その機械の費用も適切に計上され、より正確な事業の利益を計算できるようになります。また、高額な資産を購入した年にすべての費用を計上してしまうと、その年は大きな損失が出てしまう可能性がありますが、減価償却を行うことで、費用を分割して計上できるため、急激な損失の発生を防ぎ、安定した経営状態を保つことにも繋がります。