土地家屋調査士

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売買

境界明示:円滑な土地取引のために

境界明示とは、隣接する土地の持ち主同士で境界線をはっきりさせる手続きのことです。土地は、目に見える境で区切られています。しかし、時が経つにつれて、境界を示す杭や印などが無くなったり、境界線が分からなくなってしまうことがあります。境界明示を行うことで、将来起こりうる境界に関する揉め事を防ぎ、土地の売買などを円滑に進めることができます。 土地の売買だけでなく、贈与や相続など、土地の持ち主が変わる際にも、境界明示は必要です。境界があいまいなまま土地の持ち主が変わると、後々、隣の土地の持ち主との間で境界の争いが起こる可能性があります。このような争いは、時間とお金がかかるだけでなく、近所づきあいを悪くする原因にもなります。そのため、土地の取引を行う際は、前もって境界明示を行い、トラブルを防ぐことが大切です。 境界明示は、専門家である土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。土地家屋調査士は、現地調査を行い、測量機器を用いて正確な境界位置を測定します。そして、境界標を設置し、境界確認書を作成します。隣接する土地の持ち主の立会いのもとで行われ、全員が同意することで境界が確定します。確定した境界は、公的な書類として記録され、将来の紛争を予防する役割を果たします。 境界明示は、土地の持ち主の権利を守るためにも重要な手続きです。境界が不明確なまま放置しておくと、知らないうちに自分の土地が狭くなっていたり、逆に他人の土地を占有しているといった事態が発生する可能性があります。境界明示を行うことで、自分の土地の範囲を明確にし、安心して土地を所有することができます。また、境界明示は、土地の価値を高めることにも繋がります。境界が明確になっている土地は、売買しやすく、高値で取引される傾向があります。将来、土地を売却することを考えている場合は、事前に境界明示を行っておくことがおすすめです。
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実測:不動産取引の正確性を支えるもの

実測とは、その名の通り、実際に現場へ赴き、対象物を測ることです。不動産の売買においては、土地や建物の寸法を正確に把握するために、この実測は欠かすことができません。特に土地の売買では、面積が価格に直結するため、正確な実測が非常に重要になります。 実測は、専門の知識と技術を持つ測量士や土地家屋調査士といった資格を持った人によって行われます。そのため、得られるデータは高い信頼性を持ちます。実測では、単に長さを測るだけではありません。土地の形状や面積を正しく把握するためには、高低差や境界線の位置なども正確に測る必要があります。例えば、土地に傾斜がある場合は、水平距離だけでなく、高低差も考慮して面積を計算しなければなりません。また、隣接する土地との境界線を明確にすることで、将来的な境界線争いを防ぐことができます。 実測によって得られた正確な情報は、売買する当事者双方にとって、大きな利益となります。売り手は、適正な価格で土地を売却することができますし、買い手は、土地の実際の状態を正しく理解した上で購入を決定することができます。実測は、売買の際に起こりがちな誤解やトラブルを未然に防ぎ、円滑な取引を実現するための重要な基盤となります。 建物の実測もまた、不動産取引において重要な役割を果たします。建物の面積や部屋の寸法を正確に測ることで、図面だけでは分からない建物の状態を把握することができます。例えば、増築部分の有無や、壁の厚さなども実測によって明らかになります。これらの情報は、リフォームや修繕を検討する際に役立つだけでなく、建物の価値を正しく評価するためにも必要不可欠です。このように、実測は不動産取引における透明性を高め、安心して取引を進めるために欠かせない作業と言えるでしょう。