
木造スレート葺き住宅の基礎知識
家屋の屋根を覆う材料には、様々な種類があります。その中で、広く使われている材料の一つに、薄い板状の屋根材であるスレートがあります。スレートには、大きく分けて自然の石から作られる天然スレートと、人工的に作られる人工スレートの二種類があります。
天然スレートは、粘板岩と呼ばれる天然の石を薄く剥がして作られます。自然の素材ならではの独特の見た目と風格を持ち、高級感があります。また、耐久性にも優れており、長い年月を経ても美しさを保ちます。しかし、天然の素材であるがゆえに、価格が高くなる傾向があります。一方、人工スレートは、セメントと繊維を主な原料として、板状に成形して作られます。天然スレートに比べて価格が安く、施工もしやすいという利点があります。様々な色や形が選べるため、家の外観に合わせて自由にデザインできます。
どちらのスレートにも共通する利点として、火に強く、燃えにくい性質があります。また、雨水をしっかり防ぎ、家屋を雨漏りから守るという重要な役割も果たします。そのため、屋根材として安心して使うことができます。
近年では、環境への意識の高まりから、天然素材である粘板岩を使った天然スレートが見直されています。天然素材ならではの風合いと高い耐久性が改めて評価され、人気が高まっています。また、人工スレートにおいても、健康への悪影響が懸念されるアスベストを含まない製品が開発されており、より安全な建材として注目を集めています。環境や健康への配慮から、安全で安心して使える建材を選ぶことがますます重要になっています。