
暮らしを支える隠れた立役者:シスターン
水洗式の厠は、今や私たちの暮らしには無くてはならないものです。清潔で気持ち良い厠の場所は、健康な生活を送る上で大切な役割を担っています。この心地よい厠を支えているのが、まるで人体の心臓のような働きをする「水溜め」です。水溜めは、厠を洗い流すのに必要な水を一時的に溜めておく桶の役割をしています。必要な時に、ちょうど良い量の水を送り出すことで、滞りなく洗い流すことを可能にしています。
水溜めは、主に陶物やプラスチックで作られています。陶物製のものは丈夫で長持ちし、プラスチック製のものは軽く、設置しやすいという利点があります。水溜めの中には、いくつかの部品が入っており、それらが連携して巧みに作動することで、洗浄動作を実現しています。例えば、「浮き」は水位を調節する役割を担っています。水位が下がると浮きも下がり、給水弁が開いて水が流れ込みます。そして水位が設定値に達すると、浮きが上がり、給水弁が閉じて水の供給を止めます。また、「排水弁」は、洗浄レバーと繋がっており、レバー操作で排水弁が開閉することで、溜めていた水を一気に流し出す仕組みになっています。
普段は目に触れることが少ない水溜めですが、もし水漏れなどの不具合が起きた場合は、速やかに修理することが大切です。水漏れを放置すると、水道料金が上がるだけでなく、家の土台を傷める原因にもなりかねません。水溜めの仕組みを理解しておけば、異常に気づきやすくなり、早期対応に繋がります。日頃から水溜めの様子に注意を払い、快適な厠環境を保ちましょう。心臓部である水溜めの働きに感謝しながら、大切に使っていきましょう。