
短期譲渡所得とは?税金の基礎知識
不動産を売却して利益が出た場合、その利益には譲渡所得税が課せられます。この譲渡所得には、所有期間の長さによって短期と長期の二種類があります。短期譲渡所得とは、簡単に言うと、不動産をあまり長く持たずに売却した場合に発生する所得のことです。
具体的には、売却した年の1月1日時点での不動産の所有期間が5年以内であれば、短期譲渡所得とみなされます。例えば、2024年5月に土地を売却したとします。2024年1月1日時点でその土地を5年以下しか所有していなければ、短期譲渡所得として扱われます。所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得となります。
所有期間を計算する際の起点は、不動産を売却した日ではなく、売却した年の1月1日です。この点によく注意する必要があります。例えば、2023年12月に取得した不動産を2024年2月に売却した場合、売却した時点では所有期間は2ヶ月ですが、2024年1月1日時点ではまだ所有していないため、この売却による利益は譲渡所得の対象外となります。また、2019年2月に取得した不動産を2024年6月に売却した場合、売却時点では所有期間は5年以上ですが、2024年1月1日時点では所有期間は5年以下なので、短期譲渡所得となります。
短期譲渡所得は、給与所得や事業所得など他の所得と合算されて課税され、税率も高くなります。そのため、不動産を売却する際には、所有期間をよく確認し、譲渡所得税がどの程度かかるのかを事前に把握しておくことが大切です。税理士などの専門家に相談することで、より正確な税額の計算や節税対策が可能になります。