マンションPERで賢く選ぶ!
不動産について知りたい
先生、マンションPERについて教えてください。新築マンションの価格が、周りの賃貸マンションの家賃の何年分に当たるかを示す指標ですよね?
不動産アドバイザー
はい、そうです。簡単に言うと、マンションPERは、マンションを買ったらいつぐらいで元が取れるかを見るためのものなんです。たとえば、マンションPERが20年だと、そのマンションの価格が、周りの同じような賃貸マンションの20年分の家賃に相当するという意味です。
不動産について知りたい
なるほど。ということは、マンションPERが小さいほど、早く元が取れるってことですね?
不動産アドバイザー
その通りです。マンションPERが小さいほど、投資効率が良いと判断できます。ただし、マンションPERは周辺の賃貸相場だけで判断するものではないので、他の要素も合わせてマンション価格を検討することが大切ですよ。
マンションPERとは。
マンションの価格が、どのくらい割高か、あるいは割安かを判断する基準の一つに『マンションPER』というものがあります。これは、株式投資で使われる『株価収益率』をマンション用にアレンジしたものです。簡単に言うと、ある新築マンションの価格が、その近隣で貸し出されている同じようなマンションの家賃の何年分に当たるかを示す数値です。例えば、マンションPERが20年だとすると、そのマンションの価格はその周辺の賃貸マンションの家賃の20年分に相当することを意味し、言い換えれば、家賃収入でマンションの購入価格を回収するには20年かかるということです。
マンションPERとは
集合住宅の一戸当たりの価格とその賃貸料の関係を表す指標を、集合住宅価格賃料倍率と言います。これは、株式投資で使われる株価収益率の考え方を参考に作られており、集合住宅への投資の収益性を測る目安として用いられます。
具体的には、新しい集合住宅の販売価格が、近隣の賃貸集合住宅の家賃の何年分に相当するのかを示しています。言い換えれば、購入した集合住宅の家賃収入で、何年後に購入費用を回収できるかを示す指標とも言えます。
例えば、二千万円で購入した集合住宅から、年間百万円の家賃収入があるとします。この場合、集合住宅価格賃料倍率は二十年となります。つまり、二十年分の家賃収入で、購入費用を回収できる計算になります。
一般的に、この倍率が低いほど、投資資金の回収期間が短く、収益性が高いと考えられます。例えば、同じ二千万円の集合住宅でも、年間二百万円の家賃収入があれば、集合住宅価格賃料倍率は十年になります。これは、前述の例と比べて、投資資金回収までの期間が半分であることを示しています。
しかし、集合住宅価格賃料倍率はあくまでも一つの目安に過ぎません。実際の投資による収益は、空室の割合や管理に掛かる費用、建物の修繕に積み立てるお金、税金など、様々な要因に影響されます。これらの費用を考慮せずに、集合住宅価格賃料倍率だけで判断すると、予想外の支出が発生し、収益が圧迫される可能性があります。したがって、集合住宅への投資を検討する際には、集合住宅価格賃料倍率だけでなく、様々な要素を総合的に判断することが重要です。
項目 | 説明 | 例 |
---|---|---|
集合住宅価格賃料倍率 | 集合住宅の価格とその賃貸料の関係を表す指標。株式投資の株価収益率に類似。 | – |
算出方法 | 販売価格 ÷ 年間家賃収入 | 2,000万円 ÷ 100万円 = 20年 2,000万円 ÷ 200万円 = 10年 |
意味 | 購入した集合住宅の家賃収入で、何年後に購入費用を回収できるかを示す指標。 | 倍率20年:20年分の家賃収入で購入費用を回収 倍率10年:10年分の家賃収入で購入費用を回収 |
倍率と収益性 | 倍率が低いほど、投資資金の回収期間が短く、収益性が高い。 | 倍率10年の物件は、倍率20年の物件より収益性が高い。 |
注意点 | あくまでも目安であり、空室率、管理費、修繕積立金、税金など、他の要素も考慮する必要がある。 | – |
マンションPERの計算方法
集合住宅の価格収益率を計算する方法は、とても分かりやすいです。まず、評価したい集合住宅と同じような広さ、築年数、設備を持つ賃貸の集合住宅を探し、近隣の賃料の相場を調べるところから始めます。家賃の情報は、複数の不動産会社に問い合わせたり、賃貸物件の情報を掲載している様々なサイトを見て調べましょう。信頼できる相場を知るためには、できるだけ多くの情報を集めることが大切です。
次に、調べた家賃の相場に12ヶ月を掛けて、一年間の家賃収入を計算します。例えば、近隣の賃料相場がひと月あたり15万円だった場合、一年間の家賃収入は15万円 × 12ヶ月 = 180万円となります。
最後に、集合住宅の価格を、先ほど計算した一年間の家賃収入で割ることで、集合住宅の価格収益率を算出できます。例えば、3,000万円の集合住宅で、一年間の家賃収入が180万円の場合、3,000万円 ÷ 180万円 = 約16.7年となります。つまり、この集合住宅の価格収益率は約16.7年です。これは、購入した場合、家賃収入だけで購入金額を回収するのに約16.7年かかることを意味します。
計算自体は単純ですが、近隣の賃料相場を正しく把握することが非常に重要です。近隣の状況は常に変化するため、最新の情報を集めるよう心がけましょう。また、同じ地域でも、駅からの距離や、日当たり、周辺環境などによって賃料は変わるため、評価対象の集合住宅と似た条件の物件を選ぶ必要があります。複数の不動産会社に問い合わせたり、賃貸情報サイトなどを活用して、慎重に相場を見極め、より正確な価格収益率を算出するようにしましょう。
手順 | 説明 | 例 |
---|---|---|
近隣賃料相場の調査 | 類似物件の賃料を複数ソースから調査 | 月額15万円 |
年間家賃収入の計算 | 月額賃料 × 12ヶ月 | 15万円 × 12ヶ月 = 180万円 |
価格収益率の算出 | 物件価格 ÷ 年間家賃収入 | 3,000万円 ÷ 180万円 = 約16.7年 |
マンションPERの活用方法
集合住宅の価格収益率は、複数の集合住宅の収益性を比べる際に役立ちます。価格収益率とは、集合住宅の価格を年間の賃料収入で割った値です。この値が低いほど、賃料収入に対する価格が割安であることを示しており、投資効率が高いと考えられます。つまり、少ない投資額で多くの賃料収入を得られる可能性があるということです。
しかし、価格収益率だけで集合住宅の価値を判断するのは危険です。周辺の環境や建物の状態、将来の資産価値も考慮する必要があります。例えば、価格収益率が低いからといって、駅から遠く、生活に不便な場所にあったり、建物の老朽化が進んでいる場合は注意が必要です。将来的に賃料収入が減ったり、修繕費用が多くかかる可能性があります。また、人口減少や地域の衰退など、将来の資産価値が下がることも考えられます。
集合住宅を選ぶ際には、周辺環境にも注目しましょう。近くに商店や病院、学校などがあるか、公園や緑地などの環境はどうか、治安は良いかなど、生活の利便性や快適性を確認することが大切です。また、建物の状態も重要です。築年数や建物の構造、設備の状況などを確認し、修繕履歴なども調べておきましょう。
さらに、将来の資産価値についても考えておく必要があります。地域の将来性や人口動向、開発計画などを調べて、将来的な資産価値の変動リスクを把握しておきましょう。価格収益率は、あくまでも投資判断の材料の一つです。他の要素も総合的に判断し、多角的な視点から集合住宅の価値を評価することが大切です。焦らずじっくりと検討し、自分に合った集合住宅を選びましょう。
要素 | 説明 | 注意点 |
---|---|---|
価格収益率 | 集合住宅の価格を年間賃料収入で割った値。低いほど投資効率が高い。 | これだけで判断するのは危険。他の要素も考慮する必要がある。 |
周辺環境 | 商店、病院、学校、公園、緑地、治安など、生活の利便性と快適性。 | 駅から遠い、生活に不便な場所などは注意が必要。 |
建物の状態 | 築年数、構造、設備の状況、修繕履歴など。 | 老朽化が進んでいる場合は、修繕費用が多くかかる可能性がある。 |
将来の資産価値 | 地域の将来性、人口動向、開発計画など。 | 人口減少や地域の衰退など、資産価値が下がる可能性もある。 |
適切なマンションPERの目安
集合住宅の価格を収益で割った値、いわゆる価格収益率は、どれくらいの期間で投資金額を回収できるかを示す重要な指標です。この価格収益率の適正水準は、地域や景気の状況によって変化しますが、一般的には15年から25年程度が目安と考えられています。
価格収益率が15年よりも短い場合は、投資金額を早く回収できる可能性が高い、つまり収益性が高いと判断できます。しかし、価格が割安になっている背景には、建物の老朽化や周辺環境の悪化など、何らかの問題が隠れているかもしれません。安易に飛びつかずに、慎重に物件を調査する必要があります。例えば、管理組合の運営状況や修繕積立金の額などを確認することで、将来的な支出リスクを把握することが重要です。
反対に、価格収益率が25年を超える場合は、投資金額の回収に時間がかかります。収益性は低いと判断されますが、必ずしも悪い物件とは限りません。将来的な値上がりが期待できる地域や、他にはない特別な魅力を持つ物件であれば、長い目で見て利益を得られる可能性があります。例えば、再開発計画が予定されている地域や、駅に近いなど利便性の高い物件は、価格収益率が高くても投資価値があると判断されることがあります。
価格収益率だけで物件の良し悪しを判断するのではなく、周辺の取引事例や物件そのものの状態を比較検討することが大切です。また、市場全体の動向や金利の変動なども考慮に入れることで、より的確な判断ができます。購入を検討している地域の不動産会社に相談したり、複数の専門家の意見を聞くことも有効な手段です。
価格収益率 | 投資期間の目安 | 収益性 | メリット | デメリット | 確認事項 |
---|---|---|---|---|---|
15年未満 | 短い | 高い | 投資金額を早く回収できる可能性が高い | 割安な理由に問題が隠れている可能性(老朽化、周辺環境悪化など) | 管理組合の運営状況、修繕積立金の額など |
15年~25年 | 適正 | 標準 | – | – | – |
25年以上 | 長い | 低い | 将来的な値上がり期待、特別な魅力による長期的な利益獲得の可能性 | 投資金額回収に時間がかかる | 再開発計画、駅近など利便性、他物件との比較 |
注意点
集合住宅の価格収益率は、過去の家賃情報に基づいて計算される数値です。将来の家賃収入を保証するものではありません。過去のデータは参考になりますが、将来の経済状況や需要の変化によって、家賃相場は変動する可能性があります。そのため、価格収益率だけで投資判断をするのは危険です。
また、価格収益率には、空室による損失や建物の修理費用、税金などの経費が含まれていません。これらの費用は、所有者の実質的な収益を大きく左右します。空室期間が長引けば家賃収入は減り、大規模な修繕が必要になれば多額の出費が発生します。固定資産税や都市計画税などの税金も毎年支払う必要があります。これらの費用を考慮せずに価格収益率だけで判断すると、実際の収益は想定よりも少なくなる可能性があります。
さらに、集合住宅の価格収益率は、近隣の賃貸集合住宅の家賃相場をもとに計算されます。もし近隣の相場情報が不正確であれば、価格収益率も信頼できません。近隣の相場を調べる際は、複数の情報源を比較検討し、正確な情報を得ることが重要です。インターネットの情報だけでなく、実際に近隣の不動産会社に問い合わせたり、賃貸物件の情報誌を確認したりするなど、多角的な情報収集を心掛けましょう。
不動産取引に精通した専門家の意見を聞くことも有効です。不動産会社は、地域の家賃相場や物件の特性、投資リスクなどについて、豊富な知識と経験を持っています。専門家のアドバイスは、投資判断の大きな助けとなります。
最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。価格収益率は、投資判断の材料の一つに過ぎません。様々な情報を集め、メリットだけでなくリスクも十分に理解した上で、慎重に検討することが大切です。
項目 | 説明 |
---|---|
価格収益率の性質 | 過去の家賃情報に基づいて計算され、将来の家賃収入を保証するものではない。経済状況や需要の変化によって家賃相場は変動する可能性があるため、価格収益率だけで投資判断をするのは危険。 |
考慮されていない費用 | 空室損失、建物修理費用、固定資産税、都市計画税などの経費が含まれていない。これらの費用は所有者の実質的な収益を大きく左右する。 |
近隣相場の影響 | 近隣の賃貸集合住宅の家賃相場をもとに計算される。近隣の相場情報が不正確であれば、価格収益率も信頼できない。複数の情報源を比較検討し、正確な情報を得ることが重要。 |
専門家の活用 | 不動産会社は地域の家賃相場や物件の特性、投資リスクなどについて豊富な知識と経験を持っているため、専門家の意見を聞くことが有効。 |
最終的な投資判断 | 投資判断は自己責任。価格収益率は投資判断の材料の一つに過ぎない。様々な情報を集め、メリットだけでなくリスクも十分に理解した上で慎重に検討する必要がある。 |