
復代理人の役割と責任
復代理人とは、ある人が他の人に何かを頼んだ時、頼まれた人がさらに別の人に頼みごとをする、言わば代理の代理のことを指します。例えば、土地を売却するために弁護士に手続きをお願いしたとしましょう。この場合、あなたは弁護士に代理を依頼した本人となります。そして、その弁護士がさらに別の弁護士に書類作成などの業務を依頼することがあります。この時、最初に依頼を受けた弁護士は代理人、そして業務を委託された別の弁護士が復代理人となります。
復代理人は、代理人から頼まれた範囲内でしか業務を行うことができません。もし、頼まれた範囲を超えて何かをした場合、その行為は無効となります。例えば、書類作成のみを依頼されていた復代理人が、勝手に売買価格の交渉を行った場合、その交渉は無効になる可能性があります。ですから、復代理人は、自分がどこまでできるのかをしっかりと確認する必要があります。
通常、復代理人を立てる場合は、本人の許可が必要です。つまり、土地の売買の例では、あなたが復代理人を立てることに同意する必要があります。しかし、例えば、売買契約締結直前に代理人が急病で倒れた場合など、緊急時やあなたの利益を守るためにどうしても必要な場合は、あなたの許可を得ずに復代理人を立てることができます。ただし、このような場合でも、代理人はできるだけ早くあなたに報告する義務があります。
代理人があなたの許可なく復代理人を選んだ場合、もし復代理人に問題があった場合は、代理人はあなたに対して責任を負うことになります。また、復代理人は、あなたに対して直接責任を負います。つまり、復代理人がミスをしてあなたに損害を与えた場合、復代理人があなたに賠償する責任があります。このように、復代理人が関わると、本人、代理人、復代理人の間に複雑な関係が生じます。そのため、復代理人を立てる際は、それぞれの役割と責任について、事前にきちんと話し合っておくことが大切です。