コンクリートブロック造の解説

コンクリートブロック造の解説

不動産について知りたい

先生、コンクリートブロック造の『CB』って、コンクリートの塊を積み上げただけの建物ですか?

不動産アドバイザー

いい質問だね。コンクリートブロックを積み上げるのは合っているけど、それだけでは日本では建物を建てることができないんだ。コンクリートブロックだけでは強度が足りないから、鉄筋を通してモルタルで補強する必要があるんだよ。

不動産について知りたい

なるほど。じゃあ、鉄筋コンクリート造(RC造)とはどう違うんですか?

不動産アドバイザー

RC造は、型枠にコンクリートを流し込んで作るのに対し、CB造はコンクリートブロックを積み上げて作るという違いがあるね。どちらも鉄筋で補強するけど、作り方や見た目が異なるんだ。CB造は補強コンクリートブロック造とも呼ばれていて、耐火性が高いことも特徴だよ。

CBとは。

不動産の用語で『CB』というものがあります。これは、コンクリートの塊を積み上げて作る建物の構造のことです。正式には『コンクリートブロック造』と言います。日本では、コンクリートの塊だけを積み上げて建物を建てることは認められていません。そのため、鉄の棒を入れて、モルタルという材料で補強することで、建物の強さを確保しています。『補強コンクリートブロック造』と呼ばれることもあり、火に強いという特徴があります。

概要

概要

建物を作る方法の一つに、コンクリートの塊を積み重ねて壁を作る方法があります。これは、コンクリートブロック造、略してシービー造と呼ばれています。コンクリートブロックは、セメント、砂、砂利、水を混ぜて型に流し込み、固めたものです。ブロックの中には空洞があるため、軽いのに加えて、熱や音を伝えにくいという利点があります。

このコンクリートブロックは、そのまま積み重ねて建物を建てることは、日本の法律では認められていません。ブロックだけでは強度が不足するため、地震などの災害時に安全性を確保できないからです。そこで、ブロックの中に鉄筋を通し、モルタルという接着剤でブロック同士をしっかりと固定する「補強コンクリートブロック造」、略して補強シービー造という方法が用いられています。鉄筋を入れることで建物の強度が格段に向上し、地震にも耐えられるようになります。モルタルは、セメントと砂を水で練り混ぜたもので、ブロック同士をしっかりとくっつける役割を果たします。

補強シービー造は、火事にも強く、長く使える丈夫な建物を作ることができます。さらに、他の工法と比べて、比較的費用を抑えて建設できるというメリットもあります。そのため、倉庫や工場、共同住宅など、様々な種類の建物で利用されています。特に、限られた費用で頑丈な建物を建てたい場合に適した工法と言えるでしょう。近年では、デザイン性の高いコンクリートブロックも登場しており、住宅の外壁や塀にも利用されるなど、その用途はますます広がっています。

工法 材料 特徴 用途
コンクリートブロック造
(シービー造)
コンクリートブロック
(セメント、砂、砂利、水)
  • 軽量
  • 断熱性
  • 遮音性
  • 強度不足 (単体使用不可)
補強コンクリートブロック造
(補強シービー造)
  • コンクリートブロック
  • 鉄筋
  • モルタル (セメント、砂、水)
  • 耐震性
  • 耐火性
  • 耐久性
  • 低コスト
  • 倉庫
  • 工場
  • 共同住宅
  • 住宅の外壁

特徴

特徴

コンクリートブロック造の建物は、火災に強いという大きな利点があります。これは、コンクリート自体が燃えにくい材料であるためです。火事が発生した場合でも、コンクリートブロックは容易に燃え広がることがなく、延焼を防ぎ、建物の損害を最小限に抑えることができます。そのため、火災に対する安全性を重視する場合、コンクリートブロック造は有力な選択肢となります。

また、コンクリートブロック造は、耐久性にも優れています。風雨や日光などの自然環境の影響を受けにくく、経年劣化が少ないため、適切な手入れをすれば長い期間にわたって建物を維持することが可能です。建物の寿命を長く保ちたい方にとって、これは大きなメリットと言えるでしょう。

さらに、コンクリートブロックは中が空洞になっている構造のため、断熱性と遮音性が高いという特徴も持っています。外の暑さ寒さを伝えにくく、また、外部からの騒音も軽減してくれるため、室内は一年を通して快適な温度・湿度に保たれ、静かな環境で過ごすことができます。これは、冷暖房費の節約にもつながり、家計にも優しいと言えるでしょう。

施工のしやすさもコンクリートブロック造のメリットです。ブロックを一つ一つ積み重ねていくだけで壁を作ることができるため、工期を短縮することができ、結果として建築コストの削減にもつながります。他の工法と比べて、比較的安価で建築できることも大きな魅力です。

このように、コンクリートブロック造は安全性、耐久性、快適性、経済性など、多くの面で優れた特性を持つ建築工法です。

メリット 説明
安全性 コンクリートブロックは不燃材のため、火災に強く、延焼を防ぎやすい。
耐久性 風雨や日光に強く、経年劣化が少ないため、建物の寿命が長い。
快適性 中空構造のため断熱性・遮音性が高く、室内環境を快適に保つ。
経済性 施工が容易なため工期が短縮でき、建築コストが比較的安価。

用途

用途

コンクリートブロック造は、その頑丈さや燃えにくさ、そして費用を抑えられるといった特徴から、実に様々な場面で活用されています。まず、倉庫や工場といった産業施設では、重い荷物を保管したり、火を使う作業を行うことも多いため、高い耐久性と耐火性が不可欠です。コンクリートブロック造はこれらの条件を満たすため、最適な建築材料と言えるでしょう。

共同住宅やアパートなどの集合住宅においても、コンクリートブロック造は重要な役割を担っています。隣の部屋からの生活音を抑える遮音性は、快適な住環境を維持するために欠かせません。また、火災が発生した場合に延焼を防ぐ耐火性も、居住者の安全を守る上で非常に重要です。これらの理由から、集合住宅でコンクリートブロック造が採用されるケースは少なくありません。

店舗や事務所などの商業施設でも、コンクリートブロック造は防火区画として利用されることがあります。火災が発生した場合、コンクリートブロック造の壁が延焼を食い止め、被害を最小限に抑える効果が期待できます。また、商業施設の中には、デザイン性を重視してコンクリートブロック造を外壁や内装に採用するケースも増えてきています。

その他にも、車庫や塀、土砂崩れを防ぐ擁壁など、様々な建築物の一部としてコンクリートブロック造が活躍しています。最近では、様々な色や形、質感を持つコンクリートブロックが開発されており、住宅の外壁や内装にも用いられるようになっています。これにより、コンクリートブロック造でありながら、個性豊かなデザインを実現することが可能になっています。

建物種類 コンクリートブロック造の利点
倉庫・工場 高い耐久性、耐火性、費用を抑えられる
共同住宅・アパート 遮音性、耐火性
店舗・事務所 防火区画、デザイン性
その他(車庫、塀、擁壁など) 多様な用途、デザインの多様化

工法

工法

建物を建てる際、頑丈な構造にするために様々な方法があります。その中でも、コンクリートブロックを積み上げて壁を作る方法は、昔からよく使われている工法の一つです。まず初めに、建物の土台となる基礎の上にモルタルと呼ばれる接着剤のようなものを丁寧に敷き詰めます。このモルタルが、コンクリートブロックと基礎をしっかりと繋ぎ止める役割を果たします

次に、コンクリートブロックを一つずつ積み上げていきます。この時、ブロックの向きによって「小口積み」と「長手積み」という二つの方法があります。小口積みはブロックの短い面を積み上げていく方法で、長手積みは長い面を積み上げていく方法です。建物の設計や使い方によって、どちらの方法が適しているかを選んでいきます。

ブロックを積み上げる作業では、水平器や下げ振りといった道具を使って、ブロックが水平かどうか、垂直かどうかを細かく確認しながら、正確な位置に置いていくことが非常に大切です。もし、少しでもずれてしまうと、壁が傾いたり、強度が弱くなってしまうからです。

そして、積み上げたブロックが崩れないように、一定の間隔で鉄筋を配置します。鉄筋は建物の骨組みのような役割を果たし、地震などの揺れにも耐えられる強さを与えます。鉄筋を配置した後は、モルタルを隙間なくしっかりと詰めて、ブロック同士を固定します。このモルタルが鉄筋とブロックを一体化させ、壁全体の強度を高めるのです。

窓やドアなどの開口部を作る場合は、あらかじめ枠材を設置しておき、その周りにブロックを丁寧に積み上げていきます。最後に、壁の仕上げを行います。モルタルを塗ったり、塗料を塗ったり、タイルを貼ったりと様々な方法があります。建物の見た目や用途に合わせて、適切な仕上げを選ぶことで、美しく、そして長く使える建物を作ることができるのです。

工程 説明 ポイント
基礎工事 建物の土台となる基礎の上にモルタルを敷き詰める コンクリートブロックと基礎をしっかりと繋ぎ止める
ブロック積み コンクリートブロックを一つずつ積み上げる(小口積み、長手積み) 水平器や下げ振りを使って水平・垂直を確認しながら正確に積み上げる
鉄筋配置 積み上げたブロックが崩れないように一定間隔で鉄筋を配置する 建物の骨組みとして地震などの揺れにも耐えられる強さを与える
モルタル詰め 鉄筋を配置した後にモルタルを隙間なく詰めてブロック同士を固定する 鉄筋とブロックを一体化させ、壁全体の強度を高める
開口部作成 窓やドアなどの開口部を作る場合は、あらかじめ枠材を設置し、周りにブロックを積み上げる
壁仕上げ モルタルを塗る、塗料を塗る、タイルを貼るなど 建物の見た目や用途に合わせて適切な仕上げを選ぶ

注意点

注意点

コンクリートブロック造は、耐久性や耐火性、遮音性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた建築工法として知られています。しかし、優れた点ばかりではなく、いくつか注意すべき点もあります。家を建てる際には、これらの点に注意し、適切な対策を講じることで、より安全で快適な住まいを実現することが可能です。

まず、コンクリートブロックは吸水性が高いという特性があります。そのため、雨水や湿気がブロック内に浸透しやすく、建物の劣化やカビの発生につながる可能性があります。特に、外壁や基礎部分は常に雨水や湿気にさらされるため、入念な防水処理が欠かせません。防水シートや防水塗料などを用いて、水の浸入を防ぐ対策をしっかりと行う必要があります。

次に、耐震性についてです。コンクリートブロック造は、鉄筋コンクリート造に比べて耐震性が劣るとされています。地震や台風などの自然災害時に、建物が損傷を受ける可能性があります。そのため、建築計画の段階から綿密な耐震設計を行い、建物の強度を高めることが重要です。耐震壁の設置や鉄筋の配置などを工夫することで、地震に強い家を作ることができます。

さらに、コンクリートブロックは重量があるため、地盤への負担が大きくなります。地盤が軟弱な場合、建物が沈下したり、傾いたりする可能性があります。そのため、地盤調査を行い、地盤の強度を事前に確認することが必要です。地盤の強度が不足している場合は、地盤改良工事を行うことで、建物の安定性を確保することができます。

最後に、コンクリートブロック造の施工は、専門の業者に依頼することが大切です。専門業者は、豊富な知識と経験に基づき、適切な工法と材料を選択し、高品質な施工を行います。建物の安全性や耐久性を確保するためにも、信頼できる専門業者を選び、施工を依頼しましょう。適切な施工を行うことで、コンクリートブロック造のメリットを最大限に活かし、長く快適に住み続けることができます。

メリット デメリット 対策
耐久性が高い 吸水性が高い 防水シートや防水塗料を用いた防水処理
耐火性が高い 耐震性が低い 綿密な耐震設計、耐震壁の設置、鉄筋の配置
遮音性が高い 地盤への負担が大きい 地盤調査、地盤改良工事
コストパフォーマンスに優れている 専門業者による施工が必要 信頼できる専門業者に依頼