風を受ける建物の面積:見付面積

風を受ける建物の面積:見付面積

不動産について知りたい

先生、『見付面積』って、建物のどの部分の面積のことですか?

不動産アドバイザー

いい質問だね。建物の風を受ける面の面積のことだよ。ただし、地面から1.35メートルの高さまでの部分は除くんだ。

不動産について知りたい

地面から1.35メートルまでを除くのはなぜですか?

不動産アドバイザー

風は地面に近いほど弱くなるから、その影響を少なくするために地面から1.35メートルまでの部分は除外して計算するんだよ。 ちなみに、この高さは建築基準法で決められているんだ。

見付面積とは。

建物に風が当たる面積のことを『見付面積』と言います。これは、建物の1階床から1.35メートルの高さにある部分は除いて、建物のそれぞれの面を真上から見た時の面積のことです。建物の柱の中心の間ではなく、外壁から外壁までの長さで計算します。この面積は、風に耐えるために必要な柱や梁などの骨組みの長さを計算するのに使われます。

見付面積とは

見付面積とは

建物に風がどのくらい当たるかを数値で表したものが、見付面積です。建物を真上から見下ろした時の影の面積と考えると、分かりやすいでしょう。ただし、影の面積そのままでなく、風の向きによって変化します。つまり、風を受ける方向からの投影面積を指します。

この見付面積は、建物を設計する上で、風の影響を計算するためにとても重要です。風は目に見えませんが、大きな力を持っています。強い風が吹くと、建物は大きな力を受けます。この力の大きさを風圧と言います。風圧は、風の強さだけでなく、建物が風に当たる面積、つまり見付面積に比例します。見付面積が大きいほど、風圧も大きくなるのです。

風圧を計算することで、建物が風で壊れたり、倒れたりするのを防ぐことができます。建物の骨組みを作るための構造計算では、この風圧を必ず考慮します。特に高い建物や橋など、風の影響を受けやすい構造物では、正確な見付面積の計算が欠かせません

見付面積は、建物の形によって大きく変わります。例えば、同じ高さで同じ床面積の建物でも、四角い建物と円柱の建物では、見付面積が違います。円柱の建物の方が、風を受ける面積が小さくなります。そのため、建物の形を決める際には、風の影響も考えて設計することが大切です。見付面積を適切に計算し、建物の強度や安定性を高めることで、安全な建物を建てることができます。

項目 説明
見付面積 建物を真上から見下ろした時の影の面積。風の向きによって変化し、風を受ける方向からの投影面積を指す。
風圧 風が建物に及ぼす力。風の強さと見付面積に比例する。
構造計算 建物の骨組みを作る際に、風圧を考慮した計算を行う。
建物の形と見付面積 同じ高さで同じ床面積でも、形によって見付面積は変化する。円柱の建物は四角い建物より見付面積が小さい。
見付面積の重要性 風圧の計算に必要であり、建物の強度や安定性を高めるために重要。

計算方法

計算方法

建物の見かけの面積を計算するやり方について詳しく説明します。この面積は、建物の外壁を基準にして計算します。まず、建物のそれぞれの面を地面に垂直に影を落としたように下に伸ばし、その影の面積を求めます。ただし、地面から1.35メートルまでの高さの部分は計算に含めません。これは、地面に近いところでは風の流れが複雑で、単純な影の面積では正確な風の力を計算できないからです。

1.35メートルより高い部分は、外壁の形に合わせて影の面積を計算します。例えば、建物にベランダや出窓がある場合は、それらも含めて影の面積を求めます。建物の形が複雑な場合は、部分を分けて計算し、最後にすべてを合計して全体の面積を求めます。

具体的には、建物の各面を長方形や三角形などの単純な形に分割します。そして、それぞれの図形の面積を計算し、それらを合計することで全体の投影面積を求めます。例えば、長方形の面積は、縦の長さと横の長さを掛け合わせて計算します。三角形の面積は、底辺の長さと高さの半分を掛け合わせて計算します。円形の面積は、半径の二乗に円周率を掛けて計算します。

このように、建物の形に合わせて適切な計算方法を選ぶことで、正確な見かけの面積を求めることができます。この面積は、建物の風の抵抗などを計算するために必要な情報となります。正確な面積を計算することで、建物の安全性を確保することに繋がります。

利用目的

利用目的

建物を作る際には、風の影響をしっかりと考えなければなりません。風の力は、建物の形や大きさ、そして風の強さによって変わってきます。この風の力を計算するために使われるのが、見付面積と呼ばれるものです。

見付面積とは、風を受ける建物の面の面積のことを指します。建物が風を受ける方向から見た時の、建物の輪郭で囲まれた部分の面積と考えれば分かりやすいでしょう。この見付面積が大きいほど、風に押される力が大きくなります。ですから、建物の設計者は、この見付面積を小さくすることで、風による負担を減らす工夫をしています。例えば、建物の形を工夫したり、建物の配置を調整することで、風を受ける面積を小さくすることができます。

また、建物は風によって揺れたり、振動したりすることがあります。高い建物ほど、この揺れや振動の影響を受けやすくなります。このような揺れや振動を抑えるためには、建物の構造をしっかりと設計することが大切です。そして、この構造設計を行う際にも、見付面積の情報は欠かせません。見付面積が分かれば、風によって建物にかかる力を正確に計算することができます。そして、その計算結果に基づいて、建物を支える柱や壁の太さ、材質などを決めていくのです。

このように、見付面積は建物の安全性や快適性を確保するために、非常に重要な情報です。正確な見付面積を計算し、それを基に適切な設計を行うことで、風による被害を防ぎ、安心して暮らせる建物を建てることができるのです。

項目 説明
見付面積 風を受ける建物の面の面積。風を受ける方向から見た建物の輪郭で囲まれた部分の面積。
見付面積と風の力 見付面積が大きいほど、風に押される力が大きくなる。
見付面積と建物の設計 設計者は見付面積を小さくすることで、風による負担を減らす工夫をしている(建物の形、配置の調整など)。
見付面積と建物の揺れ 高い建物ほど揺れや振動の影響を受けやすい。見付面積の情報は構造設計に不可欠。
見付面積と構造設計 見付面積から風による力を計算し、柱や壁の太さ、材質などを決定する。
見付面積の重要性 建物の安全性や快適性を確保するために非常に重要。

関連法規

関連法規

建物を作る際には、様々な法律や規則に従う必要があります。その中でも、建物の安全を守る上で特に重要なのが『建築基準法』とそれに関連する告示です。これらの法令は、建物の大きさや構造、設備など、様々な事項について細かいルールを定めており、設計や施工の際には必ず遵守しなければなりません。

『見付面積』も、建築基準法に関連する重要な要素の一つです。見付面積とは、風が建物に当たる面積のことを指します。風が強い地域では、建物に大きな力が加わるため、倒壊や損傷を防ぐためには、風圧に耐えられるだけの強度が必要です。そこで、建築基準法では、建物の構造計算を行う際に、風圧を考慮することを義務付けています。この風圧の計算に用いられるのが、見付面積です。

見付面積の具体的な算定方法は、建築基準法施行令や告示で詳しく定められています。例えば、建物の形状や高さ、周囲の地形などによって、見付面積の計算方法が異なります。また、告示では、様々な形状の建物について、見付面積の算定方法が図解入りで解説されています。設計者は、これらの法令に基づいて、正確に見付面積を計算し、風圧に対する安全性を確保する必要があります。

建築基準法は、建物の安全を守るための最低限の基準を定めたものです。そのため、設計者は、法令で定められた基準を満たすだけでなく、必要に応じて、より高い安全性を確保するための対策を講じる必要があります。例えば、風速が特に強い地域では、建築基準法で定められた基準よりも厳しい基準を設けて、建物の構造を強化する必要があるかもしれません。また、建物周辺の環境にも配慮し、風による影響を最小限に抑える工夫も重要です。このように、建物の安全を守るためには、関連法規を遵守することはもちろんのこと、状況に応じて適切な判断と対応を行うことが求められます。

項目 内容
関連法規 建築基準法、建築基準法施行令、告示
目的 建物の安全確保(風圧による倒壊・損傷防止)
キー概念 見付面積(風が建物に当たる面積)、風圧
見付面積の算定方法 建築基準法施行令、告示に規定(建物の形状、高さ、周囲の地形等により異なる)
告示には図解入り解説あり
設計者の責務
  • 法令に基づく正確な見付面積の算出と風圧に対する安全確保
  • 必要に応じた、法令基準以上の安全対策の実施(例:風速が強い地域の構造強化)
  • 建物周辺環境への配慮と風による影響の最小限化

まとめ

まとめ

建物が風にどれだけ影響を受けるかを知ることは、建物の安全性を考える上でとても大切です。この風の影響を計算するために「見付面積」というものが使われます。見付面積とは、地面から1.35メートルより上の部分を地面に垂直に影を落としたときの面積のことです。例えるなら、強い日差しの中で立っている人の影の面積のようなものです。ただし、地面からの高さが1.35メートルより低い部分は含まれません。

この見付面積は、建物の形や壁の作りによって変わってきます。例えば、同じ大きさの建物でも、壁の出っ張り具合や屋上の設備などによって、影の面積、つまり見付面積は大きく変わります。当然、面積が大きいほど、風に当たる面積も大きくなり、風の影響を受けやすくなります。

見付面積は、建築基準法といった法律に基づいて、風による建物の安全性を確かめる計算に使われます。風速が強ければ強いほど、建物にかかる力は大きくなります。この力を計算することで、建物が倒れたり壊れたりする危険性を減らすことができます。設計者は、この見付面積をしっかりと計算し、風の影響を少なくするように建物を設計しなければなりません。例えば、風の強い地域では、建物の形を見直したり、風の通り道を工夫したりすることで、風による影響を小さくすることができます。

建物の所有者も、風の影響について知っておくことが大切です。普段から建物の周りをよく見て、風で何か異常がないかを確認することが大切です。もし、外壁が剥がれかかっていたり、屋根が傷んでいたりする場合は、早めに修理などの対応をする必要があります。このように、設計者だけでなく、建物を使う人みんなが風の影響を意識することで、安全で安心して暮らせる建物を作っていくことができるのです。

項目 内容
見付面積の定義 地面から1.35mより上の部分を地面に垂直に影を落とした時の面積。地面からの高さが1.35mより低い部分は含まれない。
見付面積の影響要素 建物の形、壁の作り(出っ張り具合、屋上設備など)
見付面積と風の関係 見付面積が大きいほど、風に当たる面積が大きくなり、風の影響を受けやすい。
見付面積の用途 建築基準法に基づいて、風による建物の安全性を確かめる計算に使用。風速が強ければ強いほど、建物にかかる力は大きくなる。
設計者の役割 見付面積を計算し、風の影響を少なくするように建物を設計(建物の形、風の通り道など)。
所有者の役割 建物の周りをよく見て、風で異常がないかを確認。外壁の剥がれ、屋根の傷みなどは早めに修理対応。