
完了検査:建物の利用開始への鍵
完了検査とは、建物の工事が全て終わった後に、その建物が建築基準関係法令等の規定に適合しているかを確認する検査のことです。これは、建物の利用者の安全を守るために欠かせない重要な手続きです。
家を建てる時や、大きな建物を建てる時など、建築確認申請が必要な建物は、全てこの完了検査を受けなければなりません。検査機関は、都道府県などの自治体、もしくは指定確認検査機関です。
完了検査では、設計図通りに工事が行われているか、建物の構造が安全か、設備が適切に設置されているかなど、様々な項目が細かくチェックされます。具体的には、建物の高さや面積が設計図通りか、壁の厚さや鉄筋の本数が基準を満たしているか、防火設備や排水設備が正しく設置されているかといった点を確認します。また、バリアフリー関連の法令への適合性なども検査対象となります。
この検査に合格しないと、どんなに立派な建物であっても、実際に使用することは認められません。つまり、建物を使用するための最後の関門と言えるでしょう。検査に合格すると、検査済証が交付されます。この検査済証は、建物の登記手続きに必要な書類の一つであり、建物を適法に建てられたことを証明する大切な書類です。
完了検査は、単に手続きを済ませるためのものではなく、建物の安全性を確保し、利用者の命と財産を守るための重要な役割を担っています。そのため、工事関係者はもちろんのこと、建物の所有者や利用者も、完了検査の重要性を理解し、協力していく必要があります。