
契約自由の原則:不動産取引の基礎
私たちは日々の暮らしの中で、物を買ったり、家を借りたりと、様々な約束事を交わしています。これを契約といいます。この契約を結ぶ際に、誰と、どのような内容の約束をするかは、基本的に私たちの自由です。これを契約自由の原則といいます。
この原則は、私たちの社会生活においてとても大切な役割を担っています。例えば、自分の土地を売却するとします。誰に売るのか、いくらで売るのかは、土地の所有者である個人が自由に決めることができます。高く売りたいと思えば、価格を高く設定することもできますし、早く売りたいと思えば、価格を下げることもできます。また、特定の人にだけ売却を申し出ることも可能です。
同様に、アパートを借りる場合も、どの物件を、どのくらいの期間、どのような条件で借りるかは、借りる人が自由に決めることができます。日当たりの良い部屋が良いと思えば、そのような物件を探せば良いですし、家賃が安いことを重視するのであれば、条件に合う物件を選ぶことができます。
ただし、この自由には限度があります。いくら自由に契約を結べるとはいっても、法律や社会の秩序に反する契約は無効となります。例えば、違法薬物の売買契約や、他人を傷つけることを約束する契約などは、認められません。
この契約自由の原則は、民法の中でも特に重要な考え方の一つです。特に不動産取引では、高額な取引となることが多く、当事者の意思を尊重することが大切です。この原則があることで、私たちは自分に合った条件で契約を結び、安心して暮らすことができるのです。