アルコーブ

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間取り

マンションの廊下の種類と特徴

開放廊下とは、マンションなどの集合住宅で、住戸が片側にずらりと並び、反対側が外に面している廊下のことを指します。建物の外側に面しているため、風の流れが良く、明るく開放的な空間を生み出します。窓からの光も部屋の奥まで届きやすく、日中は照明をつけなくても明るい場合が多いでしょう。また、外気を直接感じることができるため、四季の移ろいを身近に感じられるという魅力もあります。 しかし、開放廊下にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。まず、外部から住戸の中の様子が見えやすいという点です。通行人から室内が覗かれる可能性があるため、プライバシー保護の観点から対策が必要です。たとえば、玄関前にアルコープと呼ばれる小さな空間を設けることで、プライバシーを守ることができます。アルコープとは、玄関扉の前に設置される半屋外空間で、居住者のプライバシー保護に加え、雨や風をしのぐ役割も果たします。また、格子や植栽を設けることで、視線を遮る工夫も有効です。 さらに、開放廊下は外気に直接さらされるため、天候の影響を受けやすいという点も考慮しなければなりません。雨の日は廊下部分が濡れて滑りやすくなる可能性があり、転倒などの危険があります。冬場は冷たい風が吹き込み、夏場は日差しが強く照りつけるため、快適性に欠ける場合もあります。このような天候による影響を軽減するために、屋根を設置する、廊下部分に滑り止め加工を施すなどの対策が考えられます。また、防犯対策として、センサーライトや監視カメラを設置することも有効です。開放廊下は、開放感や明るさといったメリットがある一方で、プライバシーや天候への配慮が必要となるため、総合的に判断することが大切です。
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アルコーブ:マンションの快適な玄関空間

家の顔とも言える玄関。その玄関前に奥まった小さな空間がある家を見たことはありませんか?これは「アルコーブ」と呼ばれる設計で、住まいの快適さを高める工夫が詰まっています。 アルコーブとは、建物の壁面の一部を内側にへこませた空間のことです。集合住宅の玄関前でよく見かけることが多く、共用通路から少し入ったところに玄関扉が設置されている場合、その玄関前のスペースがアルコーブに当たります。まるで小さな部屋のようなこの空間は、暮らしに様々な利便性をもたらします。 まず挙げられるのは人目を気にせず過ごせる点です。玄関扉を開け閉めする際、通路を通る人の視線を遮ることができるので、家の内側を見られる心配がありません。プライバシーを守ることができるのは、大きな利点と言えるでしょう。 また、雨や風を直接受けにくいという点もメリットです。玄関扉が直接風雨にさらされるのを防ぎ、劣化を抑えるのに役立ちます。加えて、濡れた傘をたたんだり、靴を脱いだりする際にも便利です。 さらに、アルコーブはちょっとした荷物を置くスペースとしても活用できます。ベビーカーや自転車、ゴルフバッグ、買い物袋など、屋外で使う物を一時的に置いておくのに便利です。特に集合住宅では、共用通路に物を置くのは避けたいもの。アルコーブがあれば、通路を塞ぐことなく荷物を置くことができます。 このように、アルコーブは限られた空間を有効に使える優れた設計です。プライバシー保護、風雨対策、荷物の一時置き場など、様々な利点があり、住まいの快適さを高めてくれます。比較的小さなスペースですが、暮らしやすさを大きく左右すると言えるでしょう。