
抵当権と被担保債権の関係
お金を貸し借りする際に、返済が確実に行われるよう、借りた側が特定の財産を担保として提供することがあります。この時、貸した側は、お金を返してもらう権利、つまり債権を持ちます。そして、この債権が担保によって保障されている場合、『被担保債権』と呼ばれます。
具体的に説明すると、例えば住宅を購入する際に、金融機関からお金を借りる、つまり住宅ローンを組みます。この際、購入する住宅を担保として提供するのが一般的です。もし借りた人が返済できなくなった場合、金融機関は担保である住宅を売却することで、貸したお金を回収できます。この場合、金融機関が持つ住宅ローン債権が被担保債権にあたります。
担保となるものは、住宅や土地といった不動産だけでなく、自動車や有価証券なども対象となります。このように、被担保債権は様々な場面で発生します。
被担保債権には、債権者にとって大きなメリットがあります。それは、万が一債務者が返済できなくなった場合でも、担保を処分することでお金を回収できるという点です。これは、貸し倒れのリスクを軽減し、資金の安全性を高めることに繋がります。特に高額な融資を行う金融機関にとって、被担保債権は重要な意味を持ちます。
被担保債権の範囲は、担保の評価額によって決まります。例えば、担保の評価額が1億円の場合、被担保債権の範囲も最大で1億円までとなります。もし債務者が1億5千万円を借りていたとしても、担保で回収できるのは1億円までです。残りの5千万円については、別の方法で回収する必要があります。そのため、金融機関は融資を行う際、担保の評価額を慎重に審査します。