先物

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不動産の先物とは?その仕組みと注意点

不動産の世界では、専門用語が多く使われます。その中で、「先物」という言葉もよく耳にするでしょう。これは、金融取引で使われる「先物取引」とは全く異なる意味を持つ言葉で、不動産業界特有の用語です。具体的に言うと、不動産会社が、売主から直接売却の依頼を受けた物件ではなく、他の不動産会社から紹介を受けた物件のことを「先物」と言います。「先物物件」や「業物」と呼ばれることもあります。 一般的に、不動産を売却したい人は、複数の不動産会社に相談することがあります。それぞれの会社に依頼することで、より多くの購入希望者に見つけてもらう可能性が高まるからです。そして、ある不動産会社が売主から直接売却の依頼を受けたとします。この会社は、いち早く購入希望者を見つけるために、他の不動産会社にもこの物件の情報を提供し、共に購入希望者を探す協力体制を築くことがあります。 このとき、最初に売却依頼を受けた不動産会社が「元付会社」と呼ばれます。そして、元付会社以外の不動産会社が扱う、つまり他の会社から紹介された物件が「先物」と呼ばれるのです。 「先物」という言葉は、あくまで業界用語であり、正式な取引形態の名称ではありません。そのため、一般の人にはあまり馴染みがない言葉かもしれません。しかし、不動産取引の実態を理解する上で重要な言葉ですので、意味を正しく理解しておきましょう。売主にとっては、より多くの不動産会社が自分の物件を紹介してくれる方が、早く売却できる可能性が高まります。一方で、購入希望者にとっては、多くの物件情報に触れる機会が増えるため、希望に合った物件を見つけやすくなります。このように、「先物」という仕組みは、売主と購入希望者の双方にとってメリットがあると言えるでしょう。