名義書換料

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賃貸

名義書換料とは?その仕組みと注意点

住まいを借りる契約において、借りている人がその権利を他の人に譲ったり、また貸ししたりする場合、大家さんの承諾を得るためにお金を支払うことがあります。これを名義書き換え料と言います。大家さんの許可なく権利を譲渡してしまうと、契約違反と見なされ、最悪の場合は契約を解除される可能性もあるため、このお金は円滑な権利の移行のために重要な役割を担っています。 例えば、山田さんが田中さんから土地を借りていたとします。山田さんがその土地の使用権を佐藤さんに譲りたい場合、田中さんの承諾が必要です。この承諾を得るために山田さんが田中さんに支払うお金が名義書き換え料にあたります。 この名義書き換え料は、土地や建物の所有権そのものを移す売買とは性質が異なります。売買の場合は所有権が移動しますが、賃貸借契約ではあくまで借り主の地位が変わるだけです。山田さんと田中さんの間で結ばれた賃貸借契約は、特定の二人だけの契約です。そのため、借り主が山田さんから佐藤さんに変わる場合は、大家さんである田中さんの承諾がどうしても必要になります。この承諾を得るための対価、つまり田中さんが新たに佐藤さんと契約を結ぶ手間やリスクに対する報酬として、名義書き換え料が発生するのです。 名義書き換え料の金額は、契約内容や地域の慣習によって様々です。一般的には、月の家賃の一ヶ月分や、数万円程度が相場とされていますが、事前に契約内容をよく確認しておくことが大切です。また、契約書に名義書き換え料に関する条項がない場合、大家さんに請求することはできません。名義書き換えが必要な状況になった場合は、大家さんとよく話し合い、円滑な手続きを進めるようにしましょう。