
特別用途地区とは?用途地域との違い
特別用途地区とは、都市計画法に基づいて定められる区域です。簡単に言うと、既に用途地域で定められた区域に、特別な目的のために重ねて指定される地区のことです。用途地域とは、住居地域、商業地域、工業地域など、土地の使い方の大まかな種類を決めるものですが、特別用途地区は、その地域の中で、さらに細かく土地の使い方のルールを決めるものです。
用途地域だけではカバーできない、地域独特の事情に対応するために設けられています。例えば、風致地区、景観地区、歴史的風土保存区域などが特別用途地区に当たります。風致地区は、優れた自然の風景を守るために指定され、景観地区は、美しい街並みを守るために指定されます。歴史的風土保存区域は、歴史的な街並みなどを守るために指定されます。
これらの地区では、建物の高さや見た目、木の伐採などについて、普通の用途地域よりも厳しい制限が課されることがあります。これは、その土地の持ち味を保ち、良い環境を維持するためです。例えば、風致地区では、高い建物を建てて景観を損なわないように、建物の高さ制限が厳しくなることがあります。景観地区では、街並みに調和した外観にするため、建物のデザインに関するルールが設けられることがあります。歴史的風土保存区域では、歴史的な建造物を壊さないように、建物の改修や建て替えに厳しい制限が課されることがあります。
このように、特別用途地区は、用途地域の基本的なルールに加えて、より具体的な規制を設けることで、地域特有の持ち味を守り、より良いまちづくりを目指すための制度と言えるでしょう。それぞれの地域が持つ、自然、景観、歴史といった大切な財産を守り、後世に伝えていくために、特別用途地区は重要な役割を担っています。また、良好な環境を維持することで、そこに住む人々の暮らしの質を高めることにも繋がります。