型枠

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コンクリート型枠:仮枠の役割と種類

建物を建てるには、コンクリートは欠かせません。コンクリートは液体から固体へと変わるため、望む形にするには型が必要です。この型を「仮枠」と言います。仮枠はコンクリートを流し込み、固まるまで形を保つ役割を持ちます。まるで粘土を型に入れるように、コンクリートを仮枠に流し込み、しっかりと固まるまで支えるのです。 仮枠には、ただ形を作るだけでなく、コンクリートの重さに耐え、変形しない丈夫さが必要です。コンクリートは固まるまでは水分を多く含んでいるため、仮枠が水分を吸いすぎるとコンクリートの強度が落ちてしまうため、水分を吸いにくい材質であることも重要です。また、仮枠の表面が滑らかでないと、完成したコンクリートの表面も凸凹になってしまいます。 仮枠を作るには、高い技術と経験が必要です。設計図通りに正確に仮枠を作ることで、建物の強度や耐久性を保つことができます。仮枠の寸法が少しでもずれると、コンクリートの厚さが変わったり、建物全体のバランスが崩れたりする可能性があります。そのため、ミリ単位の精度が求められます。 仮枠は、建物の基礎、壁、梁、柱など、様々な場所で利用されます。完成した建物からは見えなくなってしまうものですが、建物の強度や耐久性を左右する重要な役割を担っています。まさに、建物を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。
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工事現場の縁の下の力持ち:バタ角

建物を建てる時の工事現場では、コンクリートを流し込む型枠が、コンクリートの重みで曲がったり、壊れたりしないように支える必要があります。その支えとして活躍するのが「バタ角」と呼ばれる木材です。バタ角は、コンクリートを流し込む型枠をしっかりと固定し、コンクリートの重さに耐えられるように支える、縁の下の力持ちのような存在です。 コンクリートを流し込む作業以外にも、工事現場では様々な場面で活躍します。例えば、重い資材や機材を一時的に置く場合、地面に直接置くと、地面が沈んだり、資材が傷ついたりする可能性があります。そんな時、バタ角を地面に敷くことで、地面への負担を軽減し、資材を安全に置くことができます。いわば、工事現場の様々な場所で活躍する万能選手と言えるでしょう。 バタ角に使われる木材の種類は特に決まっていませんが、一般的には手に入りやすく加工しやすい杉や松が使われます。断面が正方形の角材で、一辺の長さは10㎝のものがよく使われますが、現場の状況や用途に合わせて様々な大きさのバタ角が使用されます。 この「バタ角」という少し変わった名前の由来には諸説あります。有力な説としては、型枠の「端」の部分に用いる「太い」「角材」であることから、「端太角(はたかく)」と呼ばれ、それが変化して「バタ角」になったと言われています。現場では「バタ」と略して呼ばれることも多く、職人さんたちの間では馴染み深い道具です。このように、バタ角は一見地味ですが、建物を建てる上で重要な役割を担う、なくてはならない存在なのです。