天袋

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地袋:和室収納の知恵

地袋とは、和室でよく見かける、床に直接設置された背の低い収納家具のことです。畳敷きの床にぴたりと沿うように置かれ、その落ち着いた佇まいは、和室の雰囲気にしっくりと馴染みます。高さは、だいたい膝から腰あたりで、立ったり座ったりする際に邪魔にならないよう工夫されています。奥行きは30センチから50センチほどで、場所を取りすぎません。 地袋の表面には、襖や障子に使われているものと同じ素材が使われていることが多く、木や紙といった自然素材の風合いが、和室の穏やかな空間に調和をもたらします。内部は、棚や引き出しになっていることが一般的です。棚は、高さを調節できるものもあり、収納する物の大きさに合わせて自由に調整できます。引き出しには、取っ手が付いており、開け閉めも容易です。これらの工夫により、布団や座布団、季節によって出し入れする衣類などを整理して収納することができます。 地袋は、限られた空間を有効に使うための、日本の知恵が詰まった収納家具と言えるでしょう。布団を収納する場所として使われていた時代もありましたが、現代では、様々な用途で活用されています。例えば、おもちゃや本、日用品などを収納したり、中には、趣味の道具を収納するスペースとして活用している方もいるようです。和室だけでなく、洋室に地袋を設置するケースも増えており、その汎用性の高さは、現代の住宅事情にも適していると言えるでしょう。また、地袋の上に座布団を置いて、ちょっとした腰掛けとして使うこともできます。このように、地袋は、収納としての機能だけでなく、和室の空間をより豊かに彩る役割も担っていると言えるでしょう。
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押入れを使いこなす収納術

押入れとは、日本の住まい、特に和室でよく見られる収納場所です。襖と呼ばれる引き戸で開け閉めする作りで、中に様々な物をしまっておくことができます。布団や衣類はもちろんのこと、季節の飾り物や普段使わない道具など、家の様々な物が押入れに収められています。現代の住宅でも和室がある場合には、押入れが設置されているのをよく見かけます。 押入れは上下二段に分かれているのが大きな特徴です。上の段は天袋と呼ばれ、普段あまり使わない物を収納するのに向いています。例えば、季節が過ぎてしまった衣類や、冠婚儀礼で使う道具などです。天袋は比較的高さがあるので、取っ手付きの収納箱などを活用すると出し入れが楽になります。下の段は奥行きがあり、布団や毛布、座布団などの寝具を収納するのに便利です。また、大きな旅行鞄やかさばる荷物なども、下の段にしまっておくことができます。上下の段を使い分けることで、限られた空間を有効に活用することができます。 押入れの大きさは家によって多少異なりますが、横幅はだいたい165から180センチメートルほどです。上段の高さは90から100センチメートル、下段の高さは65から75センチメートルくらいです。奥行きは80から90センチメートル程度が一般的です。この限られた空間をどのように整理整頓するかが、収納上手になる秘訣です。押入れの中に棚や引き出しを設置したり、収納ケースをうまく活用したりすることで、より多くの物を効率的に収納することができます。また、除湿剤や防虫剤を置くことで、湿気や虫から大切な物を守ることも大切です。
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天袋:活用術を知って収納上手

天袋とは、和室で見かけることが多い、天井付近に設置された収納棚のことです。多くの場合、押し入れの上に備え付けられており、まるで押し入れの一部が天井に届いているかのように見えます。その名の通り、天井に近い場所に位置しているため、背の低い方にとっては手が届きにくく、踏み台などが必要になることもあります。そのため、毎日使うものや頻繁に取り出す必要があるものをしまうのにはあまり向きません。 しかし、天袋には収納場所としての大きな利点があります。それは、奥行きが深く設計されている場合が多く、見た目以上にたくさんの物を収納できることです。押し入れの奥行きとほぼ同じだけの収納スペースが確保されていることが多いため、限られた空間を最大限に活用できます。普段は使わない季節ものの布団や衣類、思い出の品々をしまっておくのに最適です。また、冠婚葬祭で使用する袱紗や数珠など、使用頻度は低いものの大切に保管しておきたいものも収納できます。 天袋を活用することで、押し入れ全体をより効率的に使えるようになります。押し入れの下段には普段使いの衣類や日用品を収納し、天袋には使用頻度の低いものを収納することで、整理整頓された状態を保ちやすくなります。また、天袋に物を収納することで、押し入れの中にデッドスペースができにくくなり、空間を無駄なく活用できます。天袋は、手の届きにくい場所にあるというデメリットはあるものの、その収納力を活かすことで、和室をより快適に、そして広く使えるようにする上で、重要な役割を果たしてくれると言えるでしょう。