
心持ち材:家の強さを支える中心
家づくりには欠かせない木材。様々な種類の木材が存在しますが、中でも「心持ち材」は家の骨組みを支える重要な役割を担っています。心持ち材とは、木の幹の中心、つまり樹心を含む木材のことです。木の切り口を見てみると、中心の赤みを帯びた部分が心材、その周りの白い部分が辺材と呼ばれます。心持ち材はこの心材を含んでいるため、強度が高く、家の土台や柱、梁といった構造材に最適です。
木は成長するにつれて、中心の心材は硬く、密度が高くなり、耐久性も増していきます。そのため、心持ち材は家の構造をしっかりと支える強さを持ち、長持ちする家づくりに欠かせない存在です。辺材に比べて、心材は水分を通しにくいため、腐朽菌や害虫などによる劣化にも強いという特徴があります。また、心材は乾燥による収縮や変形も少ないため、寸法安定性にも優れています。
心持ち材は、その高い強度と耐久性から、古くから日本の伝統的な建築物にも用いられてきました。神社仏閣など、長い年月を経てもなお美しく佇む建築物の多くは、心持ち材の優れた特性によって支えられているのです。現代の家づくりにおいても、心持ち材は重要な役割を担っており、地震や台風などの自然災害から家を守る上で、なくてはならない材料と言えるでしょう。心持ち材を使うことで、安心して暮らせる、強い家を実現できるのです。
木材を選ぶ際には、その特性をよく理解し、用途に合った木材を選ぶことが大切です。心持ち材は価格がやや高くなることもありますが、家の構造に関わる重要な部分には、心持ち材のような強度と耐久性に優れた木材を使用することで、長期的に見て、家の寿命を延ばし、維持管理の手間や費用を削減することに繋がります。家づくりの際には、木材選びにもこだわって、長く安心して暮らせる家を目指しましょう。