湿気対策

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建築方法

べた基礎で安心の家づくり

べた基礎とは、建物の土台全体を鉄筋コンクリートの板で覆う工法のことです。建物の形に合わせてコンクリートを流し込み、まるで一枚の大きな板のように地面に密着させることで、建物をしっかりと支えます。 この工法の最大の特徴は、面全体で建物を支える点です。従来の基礎は、建物の柱の下に独立した基礎を設ける布基礎が主流でした。しかし、べた基礎は建物の下全体が基礎となるため、地震や地盤沈下などの際に、力が分散され、建物への負担を軽減できます。一部分に力が集中することがなく、不同沈下(建物の不同な沈み込み)といったリスクも抑えられます。 べた基礎は、建物の耐久性向上にも大きく貢献します。地面をコンクリートで覆うため、地面からの湿気が建物に侵入するのを防ぎ、木材の腐食やシロアリの被害などを防ぎます。また、コンクリートの強度が高いことから、建物の寿命を延ばすことにも繋がります。 施工費用は布基礎に比べて高くなる傾向がありますが、耐震性や耐久性の向上、不同沈下対策といったメリットを考えると、長期的な視点では費用対効果が高いと言えます。特に、地震の多い日本では、建物の安全性を確保する上で重要な役割を果たしています。 このように、べた基礎は建物をしっかりと支え、様々な外力から守る、現代建築において重要な基礎工法と言えるでしょう。
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転ばし床:基礎知識と注意点

転ばし床とは、地面を固めた土間コンクリートのような基礎の上に、床を支える大引きや、より細かい間隔で設置する根太を直接固定し、その上に床板を張る建築方法です。この工法の特徴は、床束と呼ばれる通常床を支えるための短い柱を使わないため、施工期間が短く、費用も抑えることができるという点にあります。このため、倉庫や物置といった比較的簡易な構造の建物によく利用されます。 しかし、地面からの湿気が上がりやすいという欠点も持ち合わせています。土壌の水分が建物の床材に影響を与え、腐食やカビの発生につながる可能性があります。住宅に転ばし床を採用する場合、湿気対策は必須です。防湿コンクリートや、湿気を遮断するシートなどを用いて、地面からの水蒸気が床材に侵入するのを防ぐ必要があります。 近年では、コンクリートの板であるスラブの上に防湿シートを敷き、その上に大引きや根太を組むという、湿気対策を施した転ばし床の施工例も増えています。この方法を用いることで、地面からの湿気を効果的に遮断し、建物の耐久性を高めることができます。また、床下の換気を適切に行うことで、湿気の滞留を防ぎ、より快適な居住空間を実現することが可能です。床下の通気口を設け、空気の流れを作ることで、湿気がこもるのを防ぎ、建物の劣化を抑制することができます。このように、転ばし床は、適切な湿気対策を行うことで、住宅にも利用できる有効な建築方法と言えるでしょう。