
施主支給で賢く家を建てる
家を建てる際、通常は建築会社が設備や資材を用意しますが、施主支給とは、これらの設備や資材を施主自身で調達し、建築会社に提供することを指します。
具体的には、システムキッチン、お風呂、洗面台、トイレといった水回り設備をはじめ、照明器具、壁紙、床材、ドア、窓といった建具、エアコンなどの家電製品まで、多岐にわたる品目を施主支給することが可能です。通常、建築会社はまとめて資材を仕入れ、そこに利益を乗せて施主に請求します。この利益の部分を中間マージンと言いますが、施主支給を活用することで、この中間マージンを省き、建築費用を抑えることが可能になります。
しかし、施主支給には費用面以外のメリットもあります。施主のこだわりを反映させやすいという点が挙げられます。例えば、デザインや機能に強いこだわりがある場合、建築会社が標準で用意している設備では満足できないケースもあるでしょう。施主支給であれば、自分の好みに合った製品を自由に選定できます。
一方で、施主支給にはデメリットも存在します。資材の調達、搬入、保管、設置の手配は施主の責任となります。そのため、 considerableな時間と労力を費やす必要があります。また、建築会社との綿密な打ち合わせも不可欠です。資材の寸法や仕様、納期などを建築会社と入念に確認し、齟齬がないように調整しなければ、工事の遅延や追加費用が発生する可能性があります。さらに、製品の不具合や初期不良が発生した場合、施主自身で対応しなければなりません。建築会社が通常行う保証やアフターサービスを受けられないケースもあるので注意が必要です。
このように、施主支給にはメリットとデメリットの両面があります。費用の節約、こだわりの実現といったメリットを享受できる一方で、時間と労力の負担、調整の手間、トラブル発生時のリスクといったデメリットも考慮しなければなりません。施主支給を検討する際は、メリット・デメリットをよく理解し、慎重に判断することが大切です。