
建設工事請負契約の基礎知識
家やマンションを建てる、あるいは古くなった建物を新しくする時、必ず工事を行う必要があります。その工事を誰に頼み、どのような約束で進めていくのかを定めたものが、工事請負契約です。これは、文字通り工事を請け負うという契約のことで、建物を建てる際の工事請負契約書、または建物を新しくする際の工事請負契約書など、様々な呼び名があります。
この契約は、施主となる人と工事を行う人との間で結ばれる、とても大切な約束事です。具体的には、どのような建物を建てるのか、あるいはどのように新しくするのかといった工事の内容はもちろん、工事にかかる費用や工事の完成予定日などを細かく定めます。工事の費用には、材料費や人件費だけでなく、工事に関わる様々な費用が含まれます。また、工事中に予期せぬ出来事が起きた場合の対応なども、この契約の中で取り決めておきます。
工事請負契約を結ぶ一番の目的は、後々のトラブルを防ぐことです。工事の内容や費用、工期などが明確に書面で残されているため、言った言わないといった水掛け論を防ぐことができます。もしも工事中に変更事項が発生した場合でも、契約に基づいて話し合いを進めることができます。
この契約は、家づくりにおける設計図のようなものと言えるでしょう。設計図が家づくりの指針となるように、工事請負契約は工事全体をスムーズに進めるための道しるべとなります。安心して家づくりを進めるためにも、契約の内容をしっかりと理解し、不明な点があれば必ず確認することが重要です。