
建築資材の定番:トタン板
トタン板とは、薄い鉄の板に亜鉛の被膜を施した建築材料です。鉄の板は加工しやすく、そして価格も低いため、様々な用途で利用されてきました。その表面を覆う亜鉛の被膜が、鉄の腐食を防ぐ鍵となります。鉄は本来、空気中の水分と反応して錆が生じやすく、強度が落ちてしまう性質があります。しかし、表面に亜鉛を被せることで、この錆の発生を抑えることができるのです。亜鉛は鉄よりも先に反応するため、鉄本体を守ってくれる役割を担います。
この錆を防ぐ働きのおかげで、トタン板は建物の寿命を延ばすことに貢献しています。屋根材や外壁材など、雨風にさらされる場所で使われることが多く、建物を風雨から守る重要な役割を担っています。屋根材としては、瓦の下地として使われることも多く、瓦を支えるとともに、雨水の侵入を防ぎます。外壁材としては、独特の金属光沢が外観に特徴を与え、また、軽量であるため、建物への負担を軽減できます。さらに、雨どいなどの細かい部分にも使われ、建物の隅々まで雨水の浸入を防ぎ、建物の劣化を防ぎます。
古くから使われてきた材料ですが、現在でもその価値は高く評価されています。近年の技術革新により、様々な色のトタン板が製造されるようになり、デザインの自由度も広がりました。また、断熱性や遮音性を高めた製品も開発され、快適な住環境を実現する上で、重要な役割を果たしています。このように、トタン板は、価格の安さ、加工のしやすさ、そして錆に強いという特徴を持ち、様々な建築物で活躍する、信頼性の高い建築材料と言えるでしょう。