
ブロック造住宅:メリットとデメリット
ブロック造とは、コンクリートでできた、中が空洞のブロックを、モルタルという接着剤のようなもので一つ一つ積み重ねて壁を作る建築方法です。積み木を組み立てるようにして壁を造っていく様子を想像してみてください。このブロックはレンガに似ていますが、レンガよりも大きく、中が空洞になっているのが特徴です。この空洞部分のおかげで、いくつかの利点が生じてきます。
まず、空洞部分には空気が含まれるため、断熱効果が期待できます。外の暑さ寒さが伝わりにくく、家の中の温度を一定に保ちやすくなります。また、音を吸収する効果もあるため、外部からの騒音を軽減し、静かな室内環境を実現できます。さらに、空洞があることでブロック全体の重さが軽くなるため、工事も比較的簡単に進めることができます。そして、コンクリートでできているため、火に強いという特性も持ち合わせています。火災が発生した場合、延焼を防ぐ効果が期待できるため、安全性の観点からもメリットがあります。また、鉄筋コンクリート造と比べて建築費用を抑えることができるため、低層住宅や比較的小さな建物を建てる際に選ばれることが多いです。
しかし、ブロック造には地震に弱いという欠点があります。そのため、日本では建築基準法によって、建物の土台となる基礎部分は鉄筋コンクリートで作る、あるいはブロックの中に鉄筋を入れるなどの対策が義務付けられています。また、建物の高さにも制限があるため、高層ビルのような高い建物を建てるのには適していません。このように、ブロック造はメリットとデメリットを両方理解した上で、建物の用途や規模、建築場所の条件などを考慮して採用する必要があります。