不動産登記法

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手続き

初めての不動産登記:表題登記とは?

表題登記とは、新しく土地や建物を所有した際に、その不動産を初めて法務局の登記簿に登録する大切な手続きです。登記簿とは、土地や建物の所在、種類、面積などの情報を記録した帳簿のことで、いわば不動産の戸籍のようなものです。これまで登記簿に記載されていなかった不動産の情報は、表題登記によって初めて公の記録となります。 表題登記では、不動産の物理的な状況を記録します。土地であれば、その土地の位置や面積、地番などが登記されます。建物であれば、建物の種類(例えば、居宅や店舗など)、構造(木造や鉄筋コンクリート造など)、床面積などが記録されます。これらの情報は、建物の配置図や平面図といった図面と共に登記簿に登録されます。このように、表題登記によって不動産の形状、規模、位置といった基本的な情報が明確になります。 表題登記を行うことで、様々なメリットがあります。まず、その不動産の存在と所在が公的に証明されます。これは、所有権を主張する上で重要な証拠となります。また、不動産取引を安全に行うためにも不可欠です。例えば、土地や建物を売買する場合、登記簿の情報に基づいて取引が行われます。表題登記が済んでいないと、売買手続きがスムーズに進まない可能性があります。さらに、表題登記は、その後の所有権に関する登記(所有権保存登記)を行うための前提条件でもあります。つまり、家を新築した場合、まずは表題登記を行い、その後に自分が所有者であることを証明する所有権保存登記を行う必要があります。このように、表題登記は不動産に関する権利関係を明確にするための最初の段階であり、不動産を適切に管理していく上で非常に重要です。
単位

床面積:知っておくべき種類と違い

建物の広さを表す尺度として「床面積」という言葉がよく使われますが、これは建物のそれぞれの階の床面積を全て足し合わせた数値のことです。住宅の広さを知る上で重要な情報であり、不動産の売買や建築の許可申請など、様々な場面で用いられています。 ただし、床面積の計算方法は一つではなく、建物の種類や目的、法律によって計算方法が変わるため、注意が必要です。例えば、一戸建て住宅と集合住宅では、どちらも「床面積」という言葉を使いますが、計算方法が異なる場合があります。そのため、住宅の購入や賃貸を検討する際は、どの計算方法で算出された床面積なのかを確認することが重要です。 床面積の計算方法の違いは、主にどの部分を面積に含めるかという点にあります。例えば、バルコニーやベランダ、屋根のない屋上などは、用途や法律によって面積に含める場合と含めない場合があります。また、建物の構造上必要な柱や壁の厚みなども、計算方法によっては面積に含まれる場合があります。 さらに、同じ建物でも、建築基準法と不動産登記法では床面積の計算基準が異なる場合があります。建築基準法は建物の安全性を確保するための法律であり、不動産登記法は土地や建物の所有権を公示するための法律です。それぞれの法律で目的が異なるため、床面積の計算方法も異なっているのです。これらの違いを理解せずに比較すると、実際の広さと認識にズレが生じる可能性があります。 そのため、住宅を選ぶ際には、単に「床面積」という数値だけで判断するのではなく、その数値がどのように算出されたものなのかを確認することが大切です。例えば、不動産会社に問い合わせたり、物件情報に記載されている内容をよく確認したりすることで、より正確な広さを把握することができます。床面積の意味を正しく理解し、複数の物件を適切に比較することで、自分に合った住宅選びをすることができるでしょう。