エクステリア 家の犬走り:役割とメリット
家の周囲をぐるりと囲む、幅1メートルほどの通路をご存知でしょうか。コンクリートや砂利で舗装されていることが多く、これを「犬走り」と呼びます。名前の由来はいくつかありますが、犬が家の周りを走り回るのにちょうど良い広さであることから、この名前が付いたという説が有力です。また、泥棒が侵入する際に足場として使われないように、あえて狭く作ってあるという説もあります。一見地味な存在に見える犬走りですが、実は家の寿命を延ばす上で重要な役割を担っています。まず、雨水の跳ね返りを防ぐ効果があります。雨が地面に当たると、泥や砂が外壁に跳ね返り、外壁の汚れや劣化を招きます。犬走りを設けることで、この跳ね返りを防ぎ、外壁を清潔に保つことができます。家の外壁は、風雨や紫外線に常にさらされているため、犬走りによって外壁を保護することは、家の寿命を延ばすことに繋がるのです。また、建物の基礎部分の換気を促す効果もあります。地面からの湿気が基礎に侵入すると、建物の腐食や劣化の原因となります。犬走りは地面と基礎の間に空間を作り、風通しを良くすることで湿気を逃がし、基礎の劣化を防ぎます。さらに、シロアリなどの害虫が家屋に侵入するのを防ぐ役割も果たします。シロアリは湿った場所を好み、地面から侵入してくることが多いですが、犬走りは地面をコンクリートなどで覆うため、シロアリの侵入経路を断つことができます。このように、犬走りは家の美観を保つだけでなく、建物の耐久性を高め、寿命を延ばす上で重要な役割を果たしているのです。家の周りに犬走りがある場合は、定期的に点検し、ひび割れや破損があれば補修することで、その効果を長く維持することができます。
