
地階:用途と容積率への影響
建物を作る際、「地階」とは何かを正しく理解することはとても大切です。建物の容積率や用途制限など、様々な決まりに影響を与えるからです。では、地階とは一体どのようなものでしょうか。国の法律である建築基準法施行令によると、地階とは、床が地面よりも低い場所にあり、かつ、その階の床から地面までの高さが、その階の天井までの高さの3分の1以上ある階のことです。
もう少し分かりやすく説明しましょう。建物の床が地面よりも低い位置にある場合、まずその階の天井の高さを確認します。例えば、天井高が3メートルの部屋があったとします。次に、その部屋の床から地面までの高さを測ります。もし床から地面までの高さが1メートル以上であれば、その部屋は地階と判断されるのです。天井高3メートルの3分の1は1メートルですから、床から地面までの高さが1メートル以上であれば、3分の1以上の条件を満たすことになります。
天井高が2.4メートルの部屋であれば、床から地面までの高さが80センチメートル以上あれば地階となります。逆に、床から地面までの高さが天井高の3分の1未満であれば、たとえ床が地面よりも低い位置にあっても地階とはみなされません。
このように、地階かどうかの判断は、単に床が地面より低いというだけでなく、天井高と床から地面までの高さの関係によって決まるのです。この定義をしっかりと理解しておくことで、建物の設計を適切に行うことができます。また、建築基準法に基づいた正しい手続きを進める上でも重要となります。