実測売買:土地売買の基礎知識
不動産について知りたい
先生、「実測売買」って、土地の面積を測ってから売買の金額を決めるってことですよね?
不動産アドバイザー
そうだよ。売買契約の前に実際に土地を測量して、その測った面積で金額を決めるのが実測売買だよ。 登記簿に載っている面積で一旦金額を決めて、後で測量して差額を調整するやり方とは違うんだ。
不動産について知りたい
じゃあ、登記簿に載っている面積で売買するのは、どう呼ぶんですか?
不動産アドバイザー
それは「公簿売買」と言うんだ。 広い山林や農地などを売買するときによく使われるよ。実測するのが大変だからね。
実測売買とは。
土地や建物を売買するときの言葉に『実測売買』というものがあります。これは、実際に土地の広さを測ってから、その広さに基づいて売買の値段を決める方法です。ふつうは、登記簿に書かれている広さで値段を決めて、契約した後に実際に測量します。そして、登記簿の広さと実際の広さに違いがあった場合は、あらかじめ決めておいた値段で精算します。ちなみに、登記簿に書かれている広さで値段を決める売買方法は『公簿売買』と呼ばれ、山や畑など、広い土地を売買するときによく使われます。
実測売買とは
実測売買とは、土地の売買を行う際、実際に土地を測量した結果に基づいて取引価格を決める方法です。売主と買主が共に土地の広さをきちんと把握した上で売買契約を結ぶため、面積に関する認識の違いによるトラブルを防ぎ、公正な取引を実現できます。
この方法は、土地の値段が面積に比例して決まるという明確な基準に基づいているため、売買の両者にとって金額の根拠が分かりやすく、安心感につながります。特に、地価の高い都市部では、わずかな面積の違いが大きな価格差を生むため、実測売買の重要性はより高まります。例えば、都心の一等地で数平方メートルの誤差があった場合、数百万円単位の金額差が生じる可能性も考えられます。このような高額な取引において、実測売買は金額の透明性を確保し、売買当事者間の信頼関係を築く上で重要な役割を果たします。
実測売買は、面積の誤差に起因するトラブルを未然に防ぐ効果もあります。登記簿に記載されている面積と実際の面積が異なるケースは少なくありません。登記簿の面積は過去の測量に基づいているため、時間の経過とともに地形の変化や測量技術の進歩により誤差が生じる可能性があります。このような誤差が原因で、売買後に思わぬ金額の差額が発生したり、境界線に関する争いが起きたりするケースも想定されます。実測売買を行うことで、最新の測量技術を用いて正確な面積を把握できるため、このようなトラブルを避けることができます。
近年、測量技術の進歩により、より正確で迅速に土地の面積を測量することが可能になりました。ドローンやGPS測量など、新しい技術の導入により、従来よりも効率的に測量作業が行えるようになり、コストの削減にもつながっています。こうした技術革新も、実測売買の普及を後押しする要因の一つと言えるでしょう。実測売買は、売買当事者双方にとってメリットの大きい、公正で透明性の高い土地取引を実現するための重要な方法です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 土地の売買において、実際の測量結果に基づいて取引価格を決める方法 |
メリット |
|
重要性 | 特に地価の高い都市部では、わずかな面積の違いが大きな価格差を生むため重要 |
リスク軽減 | 登記簿面積と実測面積の誤差によるトラブル(金額差額、境界線争い)を回避 |
技術革新 | ドローンやGPS測量など、新しい技術導入により、正確で迅速、低コストな測量が可能に |
結論 | 売買当事者双方にとってメリットの大きい、公正で透明性の高い土地取引を実現するための重要な方法 |
実測売買の手順
実測売買とは、土地の面積を実測した結果に基づいて取引を行う売買方法です。正確な面積で取引を行うため、後々の境界線に関するトラブルを避けることができます。売買は幾つかの手順を踏んで行われます。
まず、売主と買主の間で、売買の対象となる土地の確認と、おおよその売買価格について話し合います。この段階では、登記簿に記載されている面積(公簿面積)を参考にします。
次に、土地家屋調査士に土地の測量を依頼します。土地家屋調査士は専門家として、精密な測量を行い、境界標を設置します。隣接する土地の所有者立ち会いのもとに行われることもあり、境界の確認と合意を行います。この測量によって、土地の正確な面積が確定します。これを実測面積と言います。
実測面積が出たら、売主と買主は改めて売買価格を確定します。前もって坪単価を決めておくことで、実測面積に坪単価を掛けることで、最終的な売買価格を算出します。この価格で双方が合意すれば、売買契約を締結します。売買契約書には、実測面積、坪単価、そして最終的な売買価格を明確に記載します。
最後に、売買契約に基づき、決済を行います。買主は売主に対して売買価格を支払い、所有権の移転登記を行います。これにて実測売買は完了です。
実測売買は、公簿売買に比べて測量の手間や費用、そして時間がかかります。しかし、正確な面積に基づいて取引を行うので、境界に関するトラブルを未然に防ぐことができるという大きなメリットがあります。将来の安心を買うという意味で、実測売買は有効な手段と言えるでしょう。
公簿売買との違い
{土地の売買には、面積の測り方によって大きく分けて二つの方法があります。一つは実際に土地を測量して面積を確定する「実測売買」、もう一つは登記簿に記載されている面積を用いる「公簿売買」です。
この二つの違いを理解することは、土地売買をスムーズに進める上で非常に重要です。
公簿売買とは、法務局にある登記簿に記載されている面積、すなわち登記簿面積を基準にして売買の価格を決める方法です。登記簿面積は過去の測量データに基づいており、必ずしも現在の土地の実際の面積と一致するとは限りません。そのため、実際の面積との間に誤差が生じる可能性があります。
公簿売買は、一般的に山林や農地、その他広大な面積の土地を売買する場合に用いられることが多いです。広大な土地を実測するのは費用と時間がかかるため、簡便な公簿売買が選ばれるのです。手続きが簡単であることは公簿売買の大きな利点です。しかし、面積の誤差によって思わぬトラブルに発展する可能性も秘めています。例えば、実際に測量してみると登記簿面積よりも面積が狭かった場合、買い手は予想していたよりも少ない面積の土地しか手に入らないことになります。
一方、実測売買は土地の境界をはっきりさせ、面積を正確に測量した上で売買を行います。そのため、面積の誤差によるトラブルは起こりにくいです。土地の価格が高い都市部では、わずかな面積の違いでも価格に大きく影響するため、実測売買が主流となっています。正確な面積を把握することで、売買価格の算出根拠が明確になり、取引の透明性を高めることができるからです。
このように、公簿売買と実測売買にはそれぞれメリットとデメリットがあります。土地の売買を行う際には、土地の特性や取引の状況に応じて適切な方法を選択することが大切です。}
項目 | 実測売買 | 公簿売買 |
---|---|---|
面積の基準 | 実際の測量結果 | 登記簿面積 |
メリット | 面積の誤差によるトラブルが少ない 取引の透明性が高い |
手続きが簡単 費用と時間がかからない |
デメリット | 測量費用がかかる 時間がかかる |
面積の誤差によるトラブルの可能性がある |
主な用途 | 都市部の土地 価格の高い土地 |
山林や農地 広大な面積の土地 |
実測売買のメリット
実測売買とは、土地の面積を実測によって正確に測量した上で売買を行うことです。この実測売買には、売主と買主双方にとって多くのメリットがあります。
まず第一に、取引の透明性と公正さが向上します。実測に基づいた正確な面積で取引を行うため、面積の誤差によるトラブルや価格の不一致といった問題を未然に防ぐことができます。土地の値段が高い地域では、わずかな面積の違いが金額に大きく影響するため、実測売買の重要性はより一層高まります。
第二に、境界線に関するトラブルを避けることができます。隣接地との境界が曖昧なまま売買を行うと、後々境界紛争に発展する可能性があります。しかし、実測売買では事前に境界線を確定させるため、このようなリスクを減らすことができます。売買前に境界を明確にすることで、将来的な紛争を回避し、近隣住民との良好な関係を築くことにも繋がります。
第三に、土地の有効活用がしやすくなります。実測売買によって土地の正確な形状と面積を把握することで、建物の配置や庭の設計など、土地を最大限に活用するための計画を立てやすくなります。土地の形状を正確に把握することで、建築物の設計を最適化し、土地の価値を最大限に引き出すことができます。
このように、実測売買は、適正な価格での取引を実現し、将来的なトラブルを未然に防ぎ、土地の有効な活用を促進するなど、多くの利点があります。売買当事者双方にとって安心で安全な取引を行うために、実測売買は有効な手段と言えるでしょう。
メリット | 説明 |
---|---|
取引の透明性と公正さの向上 | 実測に基づいた正確な面積での取引により、面積の誤差によるトラブルや価格の不一致といった問題を未然に防ぐ。特に高額な地域では重要。 |
境界線に関するトラブルの回避 | 事前に境界線を確定させるため、境界紛争のリスクを軽減。近隣住民との良好な関係構築にも繋がる。 |
土地の有効活用の促進 | 正確な形状と面積の把握により、建物の配置や庭の設計など、土地の最大限の活用を計画しやすくなる。建築物の設計最適化、土地の価値最大化に貢献。 |
実測売買のデメリット
実測売買は、土地の面積を実際に測量して取引を行う方法ですが、いくつか注意すべき点があります。まず、測量には費用がかかります。土地家屋調査士に依頼して測量を行う必要があり、その費用は土地の広さや形状によって変わりますが、無視できない金額となる場合もあります。また、測量には時間もかかります。測量作業自体に加え、境界確認の手続きなども必要となるため、売買契約から実際の取引完了までにある程度の期間を要することを覚悟しなければなりません。
さらに、実測売買では、測量の結果、登記簿に記載されている面積と実際の面積に違いが生じることがあります。この面積の差が大きい場合、売買価格の変更が必要になる可能性があります。例えば、登記簿上の面積よりも実際の面積が小さかった場合、買い手は当初予定していたよりも低い価格で購入できる可能性がありますが、逆に、売り手は当初想定していたよりも低い価格で売却することになるかもしれません。また、実際の面積が登記簿上の面積よりも大きかった場合、その逆のことが起こりえます。そのため、売買契約を結ぶ前に、測量による面積の増減とそれに伴う価格変動の可能性について、売主と買主の間で十分に話し合い、合意しておくことが重要です。
このように、実測売買には測量費用や手続きの手間、価格変動のリスクといったデメリットが存在します。しかし、正確な面積に基づいて取引を行うことは、将来の境界トラブルを避けるために非常に重要です。特に高額な土地の取引を行う場合は、これらのデメリットを理解した上で、実測売買を選択することが、結果として安全かつ安心な取引につながるといえるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 土地の面積を実際に測量して取引を行う方法 |
メリット | 正確な面積に基づいた取引により、将来の境界トラブルを回避 |
デメリット | 測量費用、手続きの手間、価格変動のリスク |
測量費用 | 土地家屋調査士への依頼が必要。土地の広さや形状によって費用が変動 |
測量期間 | 測量作業と境界確認手続きに一定の期間が必要 |
面積の差異 | 測量の結果、登記簿面積と実測面積に差が生じる可能性あり。差が大きい場合は価格変更が必要になる場合も |
面積差異による影響(実測面積 < 登記簿面積) | 買主:当初より低い価格で購入可能、売主:当初より低い価格で売却 |
面積差異による影響(実測面積 > 登記簿面積) | 買主:当初より高い価格で購入、売主:当初より高い価格で売却 |
注意点 | 売買契約前に、面積の増減と価格変動の可能性について売主・買主間で合意しておくことが重要 |
推奨 | 高額な土地の取引では、デメリットを理解した上で実測売買を選択することが安全・安心 |