住宅の省エネ性能を等級で分かりやすく解説

住宅の省エネ性能を等級で分かりやすく解説

不動産について知りたい

先生、『省エネルギー対策等級』って、何ですか?

不動産アドバイザー

簡単に言うと、家の冷暖房のエネルギーの使いやすさを示すものです。数字が高いほど、エネルギーを効率的に使える、つまり省エネ性能が高い家ということになります。

不動産について知りたい

なるほど。じゃあ、数字はどうやって決まるんですか?

不動産アドバイザー

家の断熱性能と、実際にどれくらいエネルギーを使うかで決まります。断熱性が良い家ほど、冷暖房のエネルギー消費量が少なくて済みますからね。

省エネルギー対策等級とは。

家のエネルギーの節約に関する「省エネルギー対策等級」について説明します。これは、家の性能を示す制度の一つで、冷房や暖房に使うエネルギーの量で家の性能を3~4段階に分けます。等級の数字が大きいほど、エネルギーを節約できる良い家ということになります。この等級を決めるには、家の暖かさや涼しさ(断熱などの性能)と、実際にどれくらいエネルギーを使うかの二つの点を調べます。

等級制度の概要

等級制度の概要

住宅の省エネルギー対策等級制度とは、住宅におけるエネルギーの効率を分かりやすく数値で表すための制度です。この制度は、冷房や暖房に使うエネルギー消費量をもとに、等級1から等級4までの4段階で評価を行います。等級4が最も省エネルギー性能が高く、数字が大きくなるほどエネルギーの消費量が少なく、環境への負担も小さくなります。また、エネルギー消費量が減ることで、光熱費などの費用を抑えることができ、家計にも優しいと言えます。

この等級制度は、住宅の性能を表示する制度の一部として定められています。新築住宅だけでなく、既に建てられた住宅でも評価を受けることが可能です。住宅の省エネルギー性能を客観的に評価することで、住宅を購入する人が、それぞれの住宅の性能を比較検討しやすくなり、自分に合ったより良い住宅を選ぶことができます。

また、住宅を建てる事業者にとっては、省エネルギー性能の高い住宅を供給しようとする動機付けとなり、住宅全体の省エネルギー化を促進する効果も期待されています。等級が高い住宅は、地球温暖化対策にも貢献するため、国は様々な補助金制度を用意し、等級の高い住宅の普及を後押ししています。例えば、一定の省エネルギー性能を満たす住宅の新築や改修に対して、補助金が交付される制度などがあります。このような支援策は、住宅の省エネルギー化をさらに推進していく上で重要な役割を果たしています。

省エネルギー対策等級は、断熱性能や設備の効率などを総合的に評価しています。具体的には、断熱材の種類や厚さ、窓の性能、給湯器やエアコンの効率などが評価項目となります。そのため、等級の高い住宅を選ぶことで、快適な居住空間を実現しながら、エネルギー消費量を抑え、環境にも家計にも優しい生活を送ることができます。

項目 内容
制度名称 住宅の省エネルギー対策等級制度
目的 住宅におけるエネルギーの効率を分かりやすく数値で表す
評価方法 冷暖房のエネルギー消費量に基づき、等級1~4の4段階で評価(等級4が最も省エネ性能が高い)
メリット
  • エネルギー消費量の削減による光熱費の節約
  • 環境負荷の低減
  • 住宅購入者にとっての住宅性能比較の容易化
  • 事業者にとっての省エネ住宅供給促進
  • 地球温暖化対策への貢献
対象 新築住宅、既存住宅
支援策 一定の省エネ性能を満たす住宅の新築・改修に対する補助金制度など
評価項目 断熱材の種類・厚さ、窓の性能、給湯器・エアコンの効率など

評価の基準

評価の基準

家の省エネ性能を測るための物差しとなるのが、省エネ対策等級です。これは、家の断熱性などを示す「温熱環境」と、冷暖房やお風呂に使うエネルギーの量を示す「一次エネルギー消費量」の二つのポイントから判断されます。

まず、温熱環境とは、家の外の気温の影響を受けにくく、一年を通して快適な室温を保つことができるかどうかを見るものです。具体的には、家の壁や天井に入っている断熱材の種類や厚さ、窓の性能などが評価の対象となります。断熱材がしっかり入っていて、外の熱を遮断し、中の熱を逃がしにくい家ほど、高い評価を得ることができます。窓ガラスも、二重窓になっているなど、断熱性の高いものを使用しているかが重要になります。つまり、外の気温に左右されず、快適な温度を保ちやすい家ほど、評価が高いと言えるでしょう。

次に、一次エネルギー消費量とは、実際に家で使うエネルギーの量だけでなく、そのエネルギーを作り出す、そして各家庭まで届けるまでに使われたエネルギーの量も合わせて計算されます。例えば、電気を作るために火力発電所で石油を燃やしたり、ガスを各家庭に届けるためにパイプラインを整備したりする際に、エネルギーが使われています。省エネ対策等級では、これらのエネルギーも考慮に入れて、家の省エネ性能を総合的に判断します。つまり、使うエネルギーの量が少ないだけでなく、エネルギーを作る、運ぶ段階でも無駄が少ない家が高く評価されるのです。

このように、温熱環境と一次エネルギー消費量の二つの基準から総合的に評価することで、本当に省エネ性能の高い家を見極めることができるのです。

項目 説明 評価ポイント
温熱環境 家の外の気温の影響を受けにくく、一年を通して快適な室温を保つことができるかどうか。 断熱材の種類・厚さ、窓の性能(二重窓など)
一次エネルギー消費量 家で使うエネルギー量に加え、エネルギーの生産・輸送にかかるエネルギー量も含めた総量。 エネルギーの使用量が少ない、エネルギーの生産・輸送の効率が良い

等級別の性能と効果

等級別の性能と効果

住まいの省エネルギー対策等級は、建物の断熱性や設備の効率などを評価し、1から4までの4段階で示されます。等級が高いほど、エネルギーの節約効果が高く、快適な暮らしを実現できる可能性が高まります。

等級1は基準となる等級で、最低限の省エネルギー性能を満たしています。等級4は最も優れた省エネルギー性能を有しており、光熱費を大幅に抑えることができます。等級4の住宅は、等級1の住宅と比較すると、断熱材や窓ガラスなどの性能が格段に向上しているため、冷暖房に使うエネルギーを大幅に削減できます。

断熱性能が高い住宅は、夏は外の熱気を室内に入れにくく、冬は室内の熱を逃がしにくいため、冷暖房の使用頻度や時間を減らすことができます。そのため、年間を通して光熱費を節約することが期待できます。また、外気温の影響を受けにくいため、室内温度を一定に保ちやすく、夏は涼しく、冬は暖かい快適な環境で暮らすことができます。急激な温度変化による体への負担も軽減されるため、健康面にも良い影響があると考えられます。

省エネルギー性能の高い住宅は、エネルギー消費量を抑えることで、二酸化炭素の排出量削減にも貢献します。地球温暖化対策の一環として、環境に配慮した住まいを選ぶことは、持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を果たします。

住宅を選ぶ際には、それぞれの等級に応じて期待できる光熱費の削減効果や快適性の向上などを考慮し、省エネルギー対策等級を参考にすると良いでしょう。等級が高い住宅は初期費用が高くなる場合もありますが、長期的に見ると光熱費の節約効果により、経済的なメリットが得られる可能性があります。それぞれの等級の特徴を理解し、ライフスタイルや予算に合わせて最適な住宅を選びましょう。

等級 省エネルギー性能 光熱費 快適性 環境負荷 初期費用
1 最低限の基準 標準 標準 標準 標準
4 最も優れている 大幅に削減 非常に快適 低い 高い

等級の確認方法

等級の確認方法

住宅の省エネルギー性能を示す等級は、住宅性能評価書で確認することができます。この評価書は、住宅の省エネルギー性能を客観的に示す大切な書類です。

新しく家を建てる場合は、設計段階と建設段階の二つのタイミングで評価書が作成され、事業者から渡されます。設計段階の評価書では、設計図に基づいて省エネルギー等級が算出されます。建設段階の評価書では、実際に建てられた住宅が設計通りの性能を持っているかを確認するために評価が行われ、最終的な等級が決定されます。

既に建っている住宅の場合は、自分から住宅性能評価機関に評価を依頼することで、住宅性能評価書を入手できます。評価機関は、専門の知識と技術を持った第三者機関であり、公平な立場で住宅の性能を評価してくれます。評価を受ける際には費用がかかりますが、住宅の性能を正確に把握するためには必要な手続きです。

住宅性能評価書には、省エネルギー等級だけでなく、断熱性能やエネルギー消費量など、住宅の様々な性能に関する詳しい情報が記載されています。例えば、壁や窓の断熱性能がどの程度優れているのか、冷暖房や給湯などにどれだけのエネルギーを使うのかといった情報を知ることができます。これらの情報は、住宅の快適さや光熱費にも大きく影響するため、しっかりと確認することが大切です。

また、住宅事業者のホームページや配布資料などにも、省エネルギー等級の情報が掲載されていることがあります。住宅を購入する際は、これらの情報を活用して、省エネルギー性能の高い住宅を選び、快適で環境にも優しい暮らしを実現しましょう。

住宅の状態 評価書の入手方法 評価のタイミング 評価機関
新築 事業者から受け取る 設計段階、建設段階 住宅事業者
既存 住宅性能評価機関に依頼 依頼時 住宅性能評価機関(第三者機関)
情報源 入手方法
住宅性能評価書 新築:事業者から受領
既存:住宅性能評価機関に依頼
住宅事業者のホームページ等 閲覧
評価項目 詳細
省エネルギー等級 住宅の省エネルギー性能を示す等級
断熱性能 壁や窓の断熱性能の程度
エネルギー消費量 冷暖房や給湯などに使用するエネルギー量

今後の展望

今後の展望

地球の気温上昇を抑える取り組みが強化される中、家で使うエネルギーを減らすことがますます大切になっています。国は、エネルギーを無駄遣いしないための基準を厳しくしたり、エネルギー節約のレベルを示す等級を広めようとしたりしています。これから先は、エネルギーをあまり使わない高性能な家が求められるようになるでしょう。

技術の進歩によって、熱を逃しにくい壁の材料や窓ガラスなども開発されていて、これまで以上にエネルギーの節約が進むと期待されます。家のエネルギー性能を測るには、省エネルギー対策等級という目安が役立ちます。これから家を選ぶときには、この等級が重要な決め手となるでしょう。家を買う人たちは、省エネルギー対策等級についてよく理解し、より良い家を選んでいくことが大切です。

具体的には、断熱性能の高い壁や窓ガラスを採用することで、冷暖房に必要なエネルギーを大幅に削減できます。家の向きや間取りを工夫して、太陽の光や風を上手に活用することも効果的です。太陽光発電や家庭用蓄電池などを設置すれば、エネルギーを自家消費したり、災害時に備えたりすることもできます。

省エネルギー対策等級の高い家は、光熱費の節約になるだけでなく、地球環境にも貢献できます。快適な暮らしを送りながら、地球温暖化対策にも取り組めるという点で、大きなメリットがあると言えるでしょう。今後、家を選ぶ際には、省エネルギー対策等級だけでなく、建物の耐久性や安全性、周辺環境なども考慮しながら、総合的に判断することが重要です。人生で大きな買い物となる家の購入は、しっかりと情報収集を行い、後悔のない選択をしましょう。

ポイント 詳細
地球温暖化対策の重要性 地球の気温上昇を抑えるため、家庭でのエネルギー消費削減が重要になっている。
国の取り組み エネルギー消費基準の厳格化、省エネルギー対策等級の普及促進。
高性能住宅の需要増加 エネルギー消費の少ない高性能住宅が求められる。
技術革新 断熱材や窓ガラスの性能向上により、更なる省エネが可能に。
省エネルギー対策等級 住宅のエネルギー性能を示す指標。住宅選びの重要な判断材料となる。
具体的な省エネ対策 高断熱壁や窓ガラスの採用、太陽光・風力利用、太陽光発電・蓄電池設置など。
省エネ住宅のメリット 光熱費削減、地球環境への貢献、快適な暮らしの実現。
住宅購入時の注意点 省エネ等級だけでなく、耐久性、安全性、周辺環境も考慮し、総合的に判断する。