知っておきたい給水方式の種類

知っておきたい給水方式の種類

不動産について知りたい

先生、給水方式ってよくわからないんですけど、簡単に説明してもらえますか?

不動産アドバイザー

そうだね。給水方式っていうのは、水道管から家や建物に水を届ける方法のことだよ。家の大きさや高さによって、いくつか方法があるんだ。

不動産について知りたい

家の大きさや高さで変わるんですか?

不動産アドバイザー

そうだよ。例えば、一戸建ての家なら、水道管から直接水を送る『直圧直結給水方式』が多い。マンションのような高い建物だと、一度タンクに水を貯めてから各部屋に送る『受水槽方式』や、ポンプで水圧を上げて送る『増圧直結給水方式』を使うんだ。建物の高さによって、必要な水圧が違うから、給水方式も変わるんだよ。

給水方式とは。

家や建物に水を届ける方法について説明します。水道管から水を必要な場所へ送る方法には、大きく分けて三つの種類があります。一つ目は、一戸建ての家でよく使われる、水道管から直接水を送る方法です。二つ目は、少し高い建物で使われる、水道管からの水を一度強くしてから送る方法です。三つ目は、高いビルやマンションで使われる、一度タンクに水をためてから各部屋へ送る方法です。

はじめに

はじめに

住まいを選ぶ際、部屋の広さや日当たりといった目に見える点に注意が行きがちですが、快適な暮らしのためには、目に見えない設備の仕組みも大切です。その一つが、毎日使う水を提供してくれる給水システムです。建物の大きさや形によって、水の供給のされ方が変わり、それぞれに良い点と悪い点があります。今回は、主な給水方法について詳しく説明します。給水方法を学ぶことで、自分にぴったりの住まいを見つけやすくなるでしょう。

まず、直結給水方式について見ていきましょう。これは、水道管から直接各部屋に水を送る方法です。マンションなどの集合住宅でよく見られます。この方式の利点は、水圧が安定していることです。いつでも勢いよく水を使うことができます。また、受水槽や高置水槽といった設備が不要なため、設置や維持にかかる費用を抑えることができます。一方で、断水時には水が使えなくなるという欠点もあります。

次に、受水槽方式です。これは、一度建物の地下などにある受水槽に水を貯めてから、ポンプで各部屋に水を送る方法です。比較的小規模な集合住宅やオフィスビルなどで採用されています。受水槽に水を貯めておくため、断水時でも一定時間水を使うことができます。また、ポンプで水圧を調整できるため、高い階でも安定した水圧を確保できます。しかし、受水槽の清掃やメンテナンスが必要となるため、定期的な費用がかかります。

最後に、高置水槽方式です。これは、受水槽からポンプで屋上などに設置された高置水槽に水を汲み上げ、そこから各部屋に水を供給する方法です。主に中層階以下の建物で使われています。高置水槽方式は、ポンプが故障した場合でも、高置水槽に貯めた水を使うことができます。また、水圧も比較的安定しています。しかし、高置水槽の設置スペースが必要となること、受水槽と同様に清掃やメンテナンスが必要となることが欠点です。

このように、給水方式には様々な種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。建物の種類や規模によって最適な給水方式は異なりますので、住まいを選ぶ際には、給水方式にも注目し、自分の生活スタイルに合った住まいを選びましょう。

給水方式 説明 メリット デメリット 主な建物
直結給水方式 水道管から直接各部屋に給水 水圧が安定、設備費用が安い 断水時に水が使えない マンションなどの集合住宅
受水槽方式 受水槽に貯めた水をポンプで給水 断水時でも一定時間使用可能、水圧調整可能 受水槽の清掃・メンテナンス費用が必要 比較的小規模な集合住宅やオフィスビル
高置水槽方式 受水槽から高置水槽に水を汲み上げ給水 ポンプ故障時でも使用可能、水圧が比較的安定 高置水槽の設置スペースが必要、清掃・メンテナンス費用が必要 中層階以下の建物

直接水道から供給する方式

直接水道から供給する方式

水道から直接各家庭へ水を届ける方法を、直圧直結給水方式といいます。この方式は、主に一戸建て住宅などで広く使われています。水道管の中の水の圧力をそのまま利用して水を供給するため、ポンプなどの特別な設備を新たに設置する必要がありません。そのため、初期費用を抑えることができるという大きな利点があります。また、貯水槽などを経由せずに水道管から直接水を供給するため、水質が汚染されにくく、いつでもきれいな水を使うことができます。

しかし、この方式にはいくつか注意点もあります。地域によっては、水道管の水圧が低い場合があります。このような地域では、安定した水量を確保することが難しく、特に複数の場所で同時に水を使う際、水圧が低下し、十分な水量を得られない可能性があります。例えば、キッチンで洗い物をしながら、お風呂でお湯を使ったり、洗濯機を同時に使用したりすると、水量が不足する可能性があります。マンションなどの集合住宅とは異なり、各家庭へ直接水道水を供給するため、水道の供給が止まった場合、貯水槽がないため断水の影響を直接受けてしまいます。また、水圧が高い地域では、蛇口を急に開閉すると「ウォーターハンマー」と呼ばれる衝撃音が発生する可能性があります。ウォーターハンマーは配管の劣化につながる可能性もあるため、注意が必要です。

このように、直圧直結給水方式にはメリットとデメリットの両方があります。導入を検討する際には、住居地域の周辺の水道管の水圧や、家族構成、生活スタイルなどを考慮し、最適な給水方式を選ぶことが大切です。水道局などに問い合わせ、地域の水圧情報を事前に確認することをお勧めします。また、水圧が低い場合には、増圧ポンプの設置を検討する必要があるかもしれません。

項目 内容
方式 直圧直結給水方式
概要 水道管の水圧を直接利用して各家庭に給水
対象 主に一戸建て住宅
メリット
  • 初期費用が安い(ポンプ不要)
  • 水質汚染リスクが低い
  • きれいな水が使える
デメリット
  • 低水圧地域では水量不足の可能性
  • 断水の影響を受けやすい
  • 高水圧地域ではウォーターハンマー現象発生の可能性
注意点
  • 地域の水圧を確認
  • 家族構成・生活スタイルを考慮
  • 水圧が低い場合は増圧ポンプの設置検討

ポンプで水圧を高める方式

ポンプで水圧を高める方式

水道管から供給される水の勢いが弱い地域にお住まいの方や、集合住宅や中層ビルにお住まいの方の中には、水道の勢いが弱くてお困りの方もいらっしゃるかもしれません。そのような問題を解決するのが、増圧直結給水方式です。この方式は、ポンプを使って水道管の水圧を上げて各戸に水を供給する仕組みです。

この方式の大きな利点は、水圧が低い地域でも、安定した水量を確保できることです。蛇口をひねると勢いよく水が出てくるのは、快適な暮らしに欠かせません。洗濯機やシャワーなども、十分な水量がないと不便を感じることがあります。増圧直結給水方式は、ポンプで水圧を高めることで、そうした水量不足の悩みを解消してくれます。

初期費用としてポンプの設置費用が必要です。しかし、従来の受水槽方式とは異なり、受水槽を設置する必要がないため、建物の貴重なスペースを節約できるというメリットがあります。受水槽は設置場所だけでなく、定期的な清掃やメンテナンスも必要です。増圧直結給水方式であれば、これらの手間や費用を省くことができます。

また、水道管から直接各戸に水を供給するため、受水槽に水が滞留することがありません。そのため、水質の劣化を防ぎ、いつでも清潔で安全な水を使うことができます。これは、健康面でも大きなメリットと言えるでしょう。特に小さなお子さんや、ご高齢の方がいらっしゃるご家庭では、安心材料の一つとなるはずです。

項目 内容
方式 増圧直結給水方式
仕組み ポンプを使って水道管の水圧を上げて各戸に水を供給
メリット
  • 水圧が低い地域でも安定した水量を確保
  • 受水槽不要でスペースを節約
  • 受水槽の清掃・メンテナンス不要
  • 水質の劣化防止
デメリット 初期費用としてポンプの設置費用が必要
対象 水道管から供給される水の勢いが弱い地域、集合住宅、中層ビル

貯水槽を経由する方式

貯水槽を経由する方式

建物に水を供給する方法の一つに、貯水槽を経由する方式があります。この方式は、いったん屋上などに設置された貯水槽に水をためてから、各部屋へと水を供給する仕組みです。特に高い建物や集合住宅などで広く使われています。

この方式の大きな利点は、断水時でも一定時間水を使えることです。貯水槽に水がためられているため、水道管からの水の供給が止まっても、貯水槽にためられた水を使うことができます。また、たくさんの人が一度に水を使う時間帯でも、安定した量の水を供給することが可能です。朝や夕方の時間帯など、水の使用量が急に増える時間帯でも、水道の蛇口から出る水の量が少なくなったり、水が出なくなったりする心配がありません。

一方で、貯水槽を経由する方式には費用面での負担も伴います。貯水槽の設置費用や維持管理費用がかかるため、水道料金以外にも費用が発生します。また、貯水槽は定期的な清掃や点検が必要です。貯水槽の中にゴミや虫が入ったり、藻が発生したりするのを防ぐため、専門の業者に依頼して清掃や点検を定期的に行わなければなりません。これは建物の所有者または管理者が責任を持って行う必要があります。

さらに、水質の管理も重要な点です。貯水槽の衛生状態が悪いと、水質が悪化する可能性があります。安全できれいな水を使うためには、貯水槽を常に清潔な状態に保つ必要があります。定期的な清掃や点検に加えて、水質検査を行うことで、水質の安全性を確認することが大切です。これらの費用や手間を考慮すると、貯水槽を経由する方式はメリットとデメリットの両方を持つ給水方式と言えるでしょう。

項目 内容
方式 貯水槽経由方式
仕組み 屋上などに設置された貯水槽に水をためてから、各部屋へ給水
利点 断水時でも一定時間水を使える
水使用量のピーク時でも安定給水
欠点 貯水槽の設置・維持管理費用
定期的な清掃・点検が必要
水質管理の責任
対象 高い建物、集合住宅

それぞれの方式の比較

それぞれの方式の比較

住まいの給水方式には、大きく分けて直圧直結給水、増圧直結給水、受水槽方式の三種類があります。それぞれに長所と短所があり、建物の規模や構造、地域の水道事情によって最適な方式は異なります。どの方式を採用しているか、住まいを選ぶ際に確認しておきましょう。

戸建て住宅で多く採用されているのが直圧直結給水方式です。水道本管から直接各住戸に水を送るため、貯水槽が不要で設置費用や維持管理費用を抑えることができます。また、水道管を通る距離が短いため、水質が良いという利点もあります。しかし、地域の水圧が低い場合は水量が不足する可能性があるため、注意が必要です。

中層階建てのビルや集合住宅でよく利用されるのが増圧直結給水方式です。この方式も水道本管から直接水を送りますが、ポンプで水圧を高めるため、高層階でも安定した水量を確保することができます。直圧直結給水方式と同様に貯水槽が不要で、衛生面でも優れています。設置費用は直圧直結給水方式よりも高くなりますが、高層階への給水を安定して行いたい場合は、費用対効果の高い選択肢と言えるでしょう。

高層ビルやマンションでは、受水槽方式が一般的です。この方式は、一旦建物の屋上や地下にある受水槽に水を貯め、そこから各住戸に給水します。断水時にも一定時間の水の使用が可能となるため、災害時の備えとして有効です。しかし、貯水槽の設置や清掃、点検などの維持管理に費用がかかること、水槽内の水質管理に注意が必要となることがデメリットです。定期的な清掃や点検が適切に行われているかを確認することが重要です。

このように、それぞれの給水方式にはメリットとデメリットがあります。建物の種類や規模、地域の水道事情、災害時の備えなど、様々な要素を考慮して最適な方式を選ぶ必要があります。住まいを選ぶ際には、給水方式にも注目し、それぞれのメリットとデメリットを比較検討することで、快適で安心な暮らしを実現できるでしょう。

給水方式 概要 長所 短所 適応建物
直圧直結給水 水道本管から直接各住戸に給水 ・貯水槽不要で低コスト
・水質が良い
・地域の水圧が低いと水量が不足する可能性あり 戸建て住宅
増圧直結給水 水道本管からポンプで増圧して給水 ・貯水槽不要
・高層階でも安定した水量
・衛生面が良い
・直圧直結給水より設置費用が高い 中層階建てのビルや集合住宅
受水槽方式 受水槽に水を貯めてから各住戸に給水 ・断水時に一定時間使用可能 ・貯水槽の維持管理費用が高い
・水質管理に注意が必要
高層ビルやマンション

まとめ

まとめ

住まい探しの際に、意外と見落とされがちなのが給水方式です。しかし、毎日の暮らしに直結する大切な要素であり、建物の種類や規模によって最適な方式が異なります。今回は代表的な3つの給水方式について詳しく見ていきましょう。快適な暮らしを送るために、ぜひ住まい選びの参考にしてください。

まず、直圧式給水は、水道本管から直接水圧を利用して各住戸に給水する方式です。受水槽や高置水槽といった設備が不要なため、設置スペースの節約衛生面でのメリットがあります。マンションや比較的新しく建てられた住宅で多く採用されています。水圧が安定しており、シャワーやキッチンでの水仕事も快適に行えます。

次に、高置水槽式給水は、屋上などに設置された高置水槽に一旦水を貯め、重力によって各住戸に給水する方式です。停電時でも一定時間給水できるというメリットがあります。アパートや比較的小規模な建物でよく見られます。しかし、水槽の定期的な清掃やメンテナンスが必要となるため、維持管理に手間と費用がかかる場合があります。また、水圧が低い場合もあるため、高層階では水量が不足することがあります。

最後に、受水槽式給水は、建物の地下や1階に設置された受水槽に一旦水を貯め、ポンプで各住戸に給水する方式です。高置水槽式と同様に、停電時にも一定時間給水できます。比較的大規模な建物や、高置水槽を設置するスペースがない場合に採用されます。受水槽の定期的な清掃やメンテナンス、ポンプの運転費用がかかります。また、ポンプの作動音が気になる場合もあります。

このように、それぞれの給水方式にはメリット・デメリットがあります。建物の構造や規模だけでなく、ご自身のライフスタイルや希望条件も踏まえ、最適な給水方式の住まいを選びましょう。今回ご紹介した内容が、皆様の快適な住まい探しの一助となれば幸いです。

給水方式 仕組み メリット デメリット 採用例
直圧式 水道本管から直接水圧を利用 設置スペース節約、衛生面、水圧安定 マンション、比較的新しく建てられた住宅
高置水槽式 屋上の水槽に貯水し重力で給水 停電時でも一定時間給水可能 維持管理の手間と費用、水圧が低い場合も アパート、比較的小規模な建物
受水槽式 地下/1階の水槽に貯水しポンプで給水 停電時でも一定時間給水可能 維持管理の手間と費用、ポンプの運転費用、騒音 比較的大規模な建物、高置水槽を設置するスペースがない場合