上がり框:玄関の顔

上がり框:玄関の顔

不動産について知りたい

先生、「上がり框」って、玄関の段差になっている部分全体のことですか?

不動産アドバイザー

いい質問だね。上がり框は、段差になっている部分全体のことではなく、その段差の側面についている横木の部分を指す言葉なんだよ。

不動産について知りたい

じゃあ、段差全体は何て言うんですか?

不動産アドバイザー

段差全体は特に決まった呼び名はないけれど、上がり框を含めた玄関の土間と床の境目部分を指して、式台(しきだい)と呼ぶこともあるよ。

上がり框とは。

玄関で靴を脱いで上がる時の段差部分、それと、その段差の側面についている横木のことを『上がり框』といいます。上がり框は、家の外と中の境目を作る役割があります。また、段差があることで靴の脱ぎ履きがしやすくなり、家の中に水やゴミが入ってくるのを防ぐ役割も果たしています。

玄関の段差

玄関の段差

家の入口である玄関には、靴を履いたままの屋外と、靴を脱ぐ屋内を分ける段差があります。この段差部分に取り付けられた横木のことを上がり框と言います。上がり框は、屋内と屋外の境界線を明確にする大切な役割を担っています。上がり框があることで、外からの土や埃、虫などが屋内に侵入するのを防ぎ、清潔な空間を保つことができます。

また、上がり框は、靴の脱ぎ履きを楽にするという実用的な利点もあります。段差があるおかげで、腰をかがめたり、不安定な姿勢になることなく、スムーズに靴を脱ぎ履きできます。特に、足腰の弱いお年寄りや、まだ体のバランスが安定しない小さなお子さんにとっては、この段差は転倒防止に繋がり、安全性を高める上で非常に重要です。

さらに、上がり框は玄関の印象を決める重要な要素でもあります。上がり框の素材やデザインによって、玄関全体の雰囲気が大きく変わります。例えば、木の温もりを感じさせる木材や、重厚感のある石材など、様々な素材から選ぶことができます。家の外観や内装に合わせて、和風、洋風など、様々な雰囲気を作り出すことが可能です。上がり框は、家の顔となる玄関の美観性を高める役割も担っていると言えるでしょう。

このように、上がり框は、単なる段差ではなく、家の清潔さや安全性を保ち、美観にも大きく関わる重要な役割を果たしています。上がり框を選ぶ際には、素材やデザインだけでなく、高さにも注目することが大切です。家族構成や生活スタイルに合わせて、最適な上がり框を選び、快適で美しい玄関を作りましょう。

項目 内容
役割1 屋内と屋外の境界線。土埃や虫の侵入防止、清潔な空間維持
役割2 靴の脱ぎ履きを楽にする。高齢者や子供の転倒防止
役割3 玄関の印象を決める。素材やデザインで雰囲気を変える(和風、洋風など)
材質 木材、石材など
選択時の注意点 素材、デザイン、高さ。家族構成や生活スタイルに合わせる

上がり框の役割

上がり框の役割

住まいの玄関にある上がり框は、私たちが日々当たり前のように使っている部分ですが、実は暮らしを守る上で大切な役割をいくつも担っています。大きく分けて三つの役割を詳しく見ていきましょう。

まず一つ目は、屋内と屋外の境界をはっきりと示すことです。玄関を開けると、床の高さが変わることで、視覚的に「ここからが屋内空間」と認識できます。これは単に空間を分けるだけでなく、屋内の清潔さを保つ上でも重要です。外から持ち込まれやすい土や砂、埃などは、上がり框があることで屋内への侵入をある程度食い止め、清潔な空間を保ちやすくなります。

二つ目は、靴の脱ぎ履きを楽にすることです。上がり框の段差は、腰を掛けたり、足を乗せたりする際の支えとなります。立ったりしゃがんだりする動作が苦手なお年寄りやお子様、体の不自由な方にとっては、この段差があることで、楽に姿勢を変え、安全に靴を脱ぎ履きすることができます。また、靴紐を結ぶ際にも、上がり框に腰掛けることで安定した姿勢を保てます。

そして三つ目は、外からの侵入物を防ぐことです。玄関は常に外気にさらされているため、雨水や砂埃はもちろんのこと、虫などの生き物が侵入しやすい場所です。上がり框があることで、これらの侵入物をある程度防ぎ、屋内を清潔に保つことができます。特に、床上浸水のリスクがある地域では、上がり框があることで浸水を軽減する効果も期待できます。

このように、上がり框は、快適で清潔な住環境を維持するために、なくてはならない重要な役割を果たしているのです。

役割 詳細
屋内と屋外の境界を示す 床の高さを変えることで視覚的に屋内空間を認識。土や砂、埃などの侵入を防ぎ、屋内の清潔さを保つ。
靴の脱ぎ履きを楽にする 段差が腰掛けや足を乗せる際の支えとなり、高齢者や子供、体の不自由な方が楽に靴を脱ぎ履きできる。靴紐を結ぶ際にも安定した姿勢を保てる。
外からの侵入物を防ぐ 雨水、砂埃、虫などの侵入を防ぎ、屋内を清潔に保つ。床上浸水のリスク軽減にも効果的。

上がり框の素材

上がり框の素材

家の玄関において、上がり框は家の顔とも言える大切な場所です。靴を脱ぎ履きするだけでなく、お客様をお迎えする場所でもあり、その家の印象を大きく左右します。そのため、上がり框に用いる素材は、家の雰囲気や機能性を考慮して慎重に選ぶ必要があります。

古くから日本で親しまれてきたのは、木の上がり框です。檜や杉などの木材は、自然な温もりと柔らかな風合いが魅力です。木の香りは心を落ち着かせ、来客者を優しく包み込むような雰囲気を醸し出します。また、木の素材は断熱性にも優れているため、冬でも足元が冷えにくいという利点があります。しかし、木材は湿気や傷に弱いため、定期的なお手入れが必要です。

石の上がり框は、重厚感と高級感を演出したい場合に最適です。大理石や御影石などの石材は、耐久性に優れており、長期間にわたって美しさを保つことができます。また、水や汚れにも強いため、掃除がしやすいというメリットもあります。一方で、石の上がり框は価格が高く、施工にも手間がかかる場合があります。また、表面が滑りやすい場合もあるため、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では注意が必要です。

様々な模様や色合いを楽しみたい方には、焼き物の上がり框がおすすめです。焼き物は、デザインの豊富さが魅力です。和風、洋風、現代風など、家のスタイルに合わせて自由に選ぶことができます。また、焼き物は比較的安価で、施工もしやすいというメリットがあります。ただし、焼き物も滑りやすい場合があるため、表面の加工や滑り止め対策を施すことが重要です。

このように、上がり框の素材にはそれぞれに特徴があります。家の雰囲気、家族構成、予算などを考慮し、最適な素材を選び、素敵な玄関を作り上げましょう。

素材 メリット デメリット
木(檜、杉など) 自然な温もりと柔らかな風合い、木の香り、断熱性に優れる 湿気や傷に弱い、定期的なお手入れが必要
石(大理石、御影石など) 重厚感と高級感、耐久性に優れる、水や汚れに強い、掃除がしやすい 価格が高い、施工に手間がかかる場合がある、滑りやすい場合がある
焼き物 デザインが豊富、比較的安価、施工がしやすい 滑りやすい場合がある

上がり框の高さ

上がり框の高さ

家の顔とも言える玄関において、上がり框の高さは家の印象を左右する重要な要素です。一般的には15cmから20cm程度の高さが適切とされています。この高さは、日常生活で靴の脱ぎ履きをする際に、ちょうどよい高さであり、つまずきにくく、スムーズな動作を可能にします。

しかし、すべての家にこの高さが最適というわけではありません。住む人の状況や家の設計によって、高さを調整する必要がある場合があります。例えば、高齢者や小さなお子さんがいる家庭では、低い上がり框の方が安全で安心です。15cmより低い高さにすることで、つまづきによる転倒のリスクを減らし、小さなお子さんやお年寄りも安心して昇り降りできます。また、車椅子を使う人がいる場合は、さらに低い、あるいは全く段差のない設計にすることも検討が必要です。

逆に、玄関の下に収納スペースを設けたい場合は、上がり框を高くすることで収納容量を確保できます。しかし、高すぎる上がり框は昇り降りに負担がかかるため、20cmを超える高さにする場合は慎重に検討する必要があります。使い勝手と安全性のバランスを考慮することが大切です。

上がり框の高さを決める際には、家族構成や生活様式、そして家の設計全体との調和を考えることが重要です。また、建築基準法などの関連法規も確認し、法的な基準を満たしているかどうかも確認しましょう。快適で安全な玄関を作るためには、上がり框の高さについてしっかりと検討することが不可欠です。

上がり框の高さ メリット デメリット 適したケース
15cm〜20cm 日常生活で靴の脱ぎ履きがしやすく、つまずきにくい。 特になし 一般的な家庭
15cm未満 つまづきによる転倒のリスクを減らし、高齢者や子供も安全に昇り降りできる。 玄関下の収納スペースが狭くなる可能性がある。 高齢者や小さなお子さんがいる家庭、車椅子利用者がいる場合
20cm超 玄関下の収納スペースを広く確保できる。 昇り降りに負担がかかる。 収納スペースを重視する場合(ただし、慎重な検討が必要)

上がり框の選び方

上がり框の選び方

玄関は家の顔とも言われ、訪れる人に第一印象を与える大切な場所です。その玄関において、上がり框は家の内と外を分ける重要な役割を担っています。単なる段差ではなく、家の雰囲気を左右する大切な要素だからこそ、慎重に選びたいものです。

まず、家の外観や内装との調和を考えてみましょう。落ち着いた雰囲気の和風建築には、自然な木目が美しい木材の上がり框がよく合います。檜や杉などの国産材だけでなく、重厚感のあるチークやウォルナットなどの木材も選択肢に加えると、より洗練された印象になります。一方、モダンな洋風建築には、大理石や御影石などの石材、あるいはタイルの上がり框が調和します。色や模様のバリエーションも豊富なので、家の雰囲気に合わせて選べます。

上がり框は毎日使う場所なので、機能性も大切です。靴の脱ぎ履きがしやすいか、高齢者や子供も安全に使える高さか、掃除のしやすさはどうかなど、実際に使う場面を想像しながら選びましょう。段差が小さすぎるとつまづきやすく、高すぎると昇り降りが大変になります。家族構成や生活様式に合わせて、最適な高さを選ぶことが大切です。

素材やデザインによって価格が大きく異なるため、予算に合わせて選ぶことも重要です。天然石は高級感がありますが、価格も高くなります。一方、木材やタイルは比較的安価で、様々なデザインから選ぶことができます。事前に予算の上限を決めておくと、選択の幅を絞り込むことができます。

そして、忘れてはいけないのが安全性です。滑りにくい素材を選ぶことはもちろん、段差部分に明暗をつける、手すりを設置するなど、安全対策を施すことで、転倒などの事故を防ぐことができます。

これらのポイントを踏まえ、家族みんなが安心して快適に使える上がり框を選び、素敵な玄関を演出しましょう。

項目 詳細
調和 和風建築には木材(檜、杉、チーク、ウォルナットなど)、洋風建築には石材(大理石、御影石)、タイルなどが合う
機能性 靴の脱ぎ履きのしやすさ、高齢者や子供も安全に使える高さ、掃除のしやすさ
価格 天然石は高価、木材やタイルは比較的安価
安全性 滑りにくい素材、段差部分に明暗、手すりの設置