SRC造とRC造:違いを解説

SRC造とRC造:違いを解説

不動産について知りたい

先生、SRC造とRC造ってどちらもコンクリートを使うけど、何が違うんですか?

不動産アドバイザー

いい質問だね。どちらもコンクリートを使うけど、SRC造はコンクリートの中に鉄骨と鉄筋の両方、RC造は鉄筋だけが入っているんだよ。

不動産について知りたい

鉄骨が入っているのと入っていないのでは、どんな違いがあるんですか?

不動産アドバイザー

SRC造はRC造よりも強度が高くて、柱や梁を細くできるから、大きな建物に向いているんだ。だけど、建築費用はRC造より高くなるんだよ。

SRC造とRC造の違いとは。

建物に関する言葉「鉄骨鉄筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造の違い」について説明します。コンクリートを使った建物の中で、鉄骨が使われている構造を鉄骨鉄筋コンクリート造といいます。これは、鉄筋コンクリート造と鉄骨造を組み合わせたもので、鉄筋コンクリートの中に鉄骨を埋め込んだ構造です。鉄筋コンクリート造と比べると建築費用は高くなりますが、丈夫で、柱や梁を細くできるので、全体の重さを軽くすることができます。主に、大きなマンションやビルなどの大きな建物でよく使われる構造です。

構造の違い

構造の違い

建物は、様々な工法で建てられています。その中で、鉄筋コンクリート造(略して鉄コン造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(略して鉄骨鉄コン造)は、どちらもコンクリートを使うという共通点がありながら、それぞれ違った持ち味を持っています。

まず、鉄コン造について説明します。鉄コン造は、鉄の棒である鉄筋を格子状に組んで型枠を作り、そこにドロドロのコンクリートを流し込んで固めて作ります。この時、鉄筋は引っ張る力に強く、コンクリートは圧縮する力に強いという、それぞれの長所を組み合わせることで、非常に丈夫な構造を実現しています。鉄筋コンクリートは、建物の柱や梁、床、壁など、様々な部分に使われています。比較的小規模な建物から中規模の建物まで、幅広く使われている工法です。

次に、鉄骨鉄コン造について説明します。鉄骨鉄コン造は、鉄コン造に鉄骨の骨組みを加えた構造です。鉄骨を芯にして、その周りに鉄筋を配し、コンクリートを流し込んで固めます。鉄骨は、鉄筋コンクリートよりもさらに高い強度を持ち、建物の耐震性や耐久性を高めるという重要な役割を担っています。鉄骨が入ることで、建物全体がより頑丈になり、地震や強風などの外力に耐えることができます。そのため、鉄骨鉄コン造は、高層ビルや大きなマンション、体育館など、高い強度と耐久性が求められる大きな建物に採用されることが多いです。

このように、鉄コン造と鉄骨鉄コン造は、どちらもコンクリートを使った構造ではありますが、鉄骨の有無によって建物の強度や用途が異なってきます。鉄コン造はバランスの取れた、幅広い用途に適した構造と言えるでしょう。一方、鉄骨鉄コン造は、高い強度と耐久性が求められる、大規模な建物に適した構造と言えるでしょう。

項目 鉄筋コンクリート造 (RC造) 鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造)
構造 鉄筋を格子状に組み、コンクリートを流し込んで固める 鉄骨を芯に、鉄筋を配し、コンクリートを流し込んで固める
強度 鉄筋の引っ張り力とコンクリートの圧縮力の組み合わせで高い強度 鉄骨によりRC造よりさらに高い強度と耐震性、耐久性
用途 小規模~中規模の建物

(例: 住宅、中小規模のビルなど)
高層ビル、大型マンション、体育館など、高い強度と耐久性が求められる大規模建築物
メリット バランスの取れたコストと性能 高い耐震性、耐久性、耐火性

強度の比較

強度の比較

建物を作る工法には様々な種類がありますが、中でも鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、頑丈な建物を作る代表的な方法です。どちらも鉄筋とコンクリートを使うため似ていますが、SRC造はRC造の中に鉄骨の柱や梁を組み込むことで、より高い強度を実現しています。

RC造は、コンクリートの中に鉄筋を網目状に配置し、一体化させることで強度を高めています。コンクリートは圧縮力に強く、鉄筋は引っ張る力に強いというそれぞれの長所を組み合わせることで、単体よりもはるかに頑丈な構造を作り出しています。RC造は多くの建物で採用されており、十分な強度を持つ信頼できる工法です。

一方、SRC造は、RC造の内部に鉄骨の骨組みを組み込んだ構造です。鉄骨は、非常に高い強度と粘り強さを持ち、地震や強風などの大きな力に耐えることができます。この鉄骨を芯としてコンクリートを流し込み、鉄筋と一体化させることで、RC造よりもさらに高い強度と耐久性を実現しています。SRC造は、高層ビルや大規模な建物など、特に高い安全性が求められる建築物に最適です。

鉄骨が入っていることで、地震の揺れなどによる建物の変形を鉄骨が抑え、建物全体の倒壊を防ぐ効果も期待できます。また、鉄骨は建物の重さを支える役割も担うため、RC造よりも大きな空間を作ることが可能になります。このように、SRC造は高い強度だけでなく、設計の自由度も高い優れた工法と言えるでしょう。

工法 特徴 メリット デメリット 適用例
RC造 コンクリートの中に鉄筋を網目状に配置
  • 圧縮力に強いコンクリートと引っ張る力に強い鉄筋の長所を組み合わせた強度
  • 信頼性が高い
  • コストが比較的低い
  • SRC造に比べて耐震性が劣る
  • 大空間の設計には不向き
  • 中低層マンション
  • オフィスビル
  • 一般住宅
SRC造 RC造の内部に鉄骨の骨組みを組み込む
  • RC造よりも高い強度と耐久性
  • 高い耐震性
  • 大空間の設計が可能
  • コストが高い
  • 工期が長い
  • 高層ビル
  • 大規模な建物
  • 高い安全性が求められる建築物

費用の比較

費用の比較

建物を建てる際にかかる費用は、建物の構造によって大きく変わってきます。鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)と鉄筋コンクリート造(RC造)を比較した場合、一般的にSRC造の方が建築費用は高額になります。

SRC造では、鉄筋コンクリートに加えて鉄骨も使用する為、鉄骨そのものの材料費がかかります。さらに、鉄骨を工場で加工する費用や、現場で鉄骨を組み立てる費用、溶接する費用など、RC造にはない工程が加わるため、費用が高くなるのです。

また、鉄骨を組み立てる作業は、RC造の型枠を組み立てる作業よりも複雑で時間がかかる傾向があります。そのため、工期が長引くことが多く、人件費などの費用も増加します。このように、建築費用全体で見ると、SRC造はRC造よりも高額になるのが一般的です。

しかし、初期費用が高いSRC造にもメリットがあります。SRC造はRC造よりも強度と耐久性が高いため、建物の寿命が長くなります。建物が長持ちすれば、大規模な修繕や改修の頻度を減らせるため、長期的に見ると維持管理費用を抑えることができる可能性があります。つまり、初期投資は高くても、長い目でみると経済的なメリットが得られる場合もあるのです。建物の用途や規模、立地条件などを考慮し、初期費用と維持管理費用のバランスを見ながら、最適な構造を選ぶことが大切です。

項目 SRC造 RC造
建築費用 高額 比較的安価
材料費 鉄骨・鉄筋・コンクリート 鉄筋・コンクリート
人件費 高額(鉄骨組み立て等、工程が複雑) 比較的安価
工期 長め 短め
強度・耐久性 高い SRC造より低い
建物寿命 長い SRC造より短い
維持管理費用 低い可能性あり SRC造より高い可能性あり

設計の自由度

設計の自由度

建物を作る際、設計の自由度はとても大切です。設計の自由度が高いということは、作り手の思い描く建物をより自由に形にできるということです。構造の種類によって、この自由度は大きく変わってきます。鉄骨鉄筋コンクリート造、いわゆるSRC造と鉄筋コンクリート造、RC造を比べてみましょう。

SRC造は、RC造よりも設計の自由度が高いと言われています。これは、SRC造で使われる鉄骨の強度に理由があります。鉄骨は非常に強い材料なので、建物を支える柱や梁を細く作ることができます。柱や梁が細くなると、その分、部屋の中を広く使うことができます。そのため、広い空間が必要なオフィスビルや商業施設などに向いているのです。

もちろん、RC造でも工夫次第で広い空間を作ることは可能です。例えば、壁を少なくしたり、柱の位置を調整したりすることで、ある程度の広さを確保できます。しかし、SRC造はRC造よりもさらに自由度の高い設計が可能です。鉄骨とコンクリートを組み合わせることで、建物の強度と柔軟性を両立できるからです。

SRC造は、建築家の創造性を大きく広げます。例えば、大きな窓を設置して開放的な空間を作ったり、複雑な形状の屋根を実現したりすることが容易になります。建物のデザイン性も高まり、より魅力的な空間を生み出すことができるのです。このように、SRC造は設計の自由度という点で大きなメリットを持つ構造であり、多様なニーズに応えることができます。

構造 設計の自由度 特徴 向き不向き
SRC造 高い
  • 鉄骨の強度により柱や梁を細くできる
  • 広い空間を作れる
  • 強度と柔軟性を両立
  • 大きな窓や複雑な形状の屋根も可能
オフィスビル、商業施設など広い空間が必要な建物
RC造 SRC造より低い
  • 壁を少なくしたり、柱の位置を調整することで、ある程度の広さを確保可能
工夫次第で広い空間も可能

用途の違い

用途の違い

建物の用途によって、採用される構造形式は大きく異なります。それぞれの特徴を理解することで、目的に合った建物を建てることができます。

まず、鉄骨鉄筋コンクリート造、いわゆるエスアールシー造は、鉄骨の柱や梁で建物の骨組みを作り、その周りにコンクリートを打ち込んで強度を高めた構造です。この構造は、高い強度と耐久性を誇り、さらに広い空間を作り出すことが可能です。そのため、高層ビルや大規模な集合住宅、多くの人が利用する商業施設、高度な医療を提供する病院など、大規模で高い安全性が求められる建物に適しています。地震や火災などの災害時にも、高い耐久性を発揮し、人々の安全を守ります。

一方、鉄筋コンクリート造、いわゆるアールシー造は、鉄筋を組み、その周りにコンクリートを流し込んで固めた構造です。エスアールシー造と比べると、工期が短く、費用を抑えることができるという利点があります。比較的小規模な集合住宅やアパート、一戸建て住宅、荷物を保管する倉庫など、幅広い用途で利用されています。アールシー造は、施工の柔軟性が高いため、様々な形状の建物を設計することができます。

建物の構造を選ぶ際には、用途や規模だけでなく、予算も重要な要素となります。エスアールシー造は、アールシー造よりも費用がかかる傾向があります。そのため、限られた予算内で建物を建てる必要がある場合は、アールシー造が適していると言えるでしょう。

建物の構造は、建物の安全性や耐久性、快適性に直接関わるため、専門家との相談が不可欠です。建物の用途や規模、予算などを考慮し、最適な構造を選択しましょう。専門家のアドバイスを受けながら、建物の構造について慎重に検討することで、安全で快適な建物を建てることができます。

構造形式 特徴 メリット デメリット 適した建物
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) 鉄骨の骨組みにコンクリートを打ち込んだ構造 高強度、高耐久性、広い空間 高コスト、工期が長い 高層ビル、大規模集合住宅、商業施設、病院
鉄筋コンクリート造(RC) 鉄筋にコンクリートを流し込んで固めた構造 工期が短い、低コスト、施工の柔軟性が高い SRC造と比べると強度・耐久性が低い 小規模集合住宅、アパート、一戸建て住宅、倉庫

まとめ

まとめ

鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、どちらもコンクリートを使った建物の骨組みですが、鉄骨が入っているかいないかという違いで、建物の強さや費用、設計の自由度が変わってきます。RC造は、鉄筋を組み上げてコンクリートを流し込んで作るため、材料費が安く抑えられ、比較的手頃な費用で建物を建てることができます。また、コンクリートの性質上、火災や音、熱に強く、周りの環境にも優しい建物を作ることができます。しかし、鉄骨造と比べると、柱や梁が太くなってしまうため、広い空間を作るのが難しい場合があります。

一方、SRC造は、鉄骨の骨組みに鉄筋とコンクリートを組み合わせるため、RC造よりもさらに強い建物を作ることができます。地震や強風など、大きな力に耐えることができ、高層の建物や、複雑な形の建物も作ることが可能です。また、柱や梁を細くすることができるため、RC造よりも広い空間を作ることができます。しかし、鉄骨を使うため材料費が高くなり、建築費用も高くなります。さらに、鉄骨は錆びやすいという欠点もあるため、防錆処理などの対策が必要です。

建物の大きさや目的、予算などをよく考えて、どちらの構造が合っているかを選ぶことが大切です。たとえば、マンションのような大きな建物を建てる場合は、SRC造の方が適しているでしょうし、比較的小さな建物を建てる場合は、RC造の方が費用を抑えることができます。専門家の意見を聞きながら、建物の安全性や耐久性を確保しつつ、住みやすい空間を作れる構造を選びましょう。それぞれの構造のメリットとデメリットを理解し、両方のバランスを考えて選ぶことで、建物の価値を高めることができます。

項目 RC造 SRC造
構造 鉄筋を組み上げてコンクリートを流し込む 鉄骨の骨組みに鉄筋とコンクリートを組み合わせる
強度 鉄骨造より低い RC造より高い
費用 比較的安価 高価
設計の自由度 低い(広い空間が難しい) 高い(高層、複雑な形状が可能)
空間 柱や梁が太くなるため、広い空間は難しい 柱や梁を細くでき、広い空間が可能
耐火性・耐音性・断熱性 高い 高い
その他 環境に優しい 鉄骨の錆対策が必要
適した建物 比較的小規模な建物 マンション等の大規模な建物