床机

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インテリア

床几:日本の伝統的な折りたたみ椅子

床几(しょうぎ)とは、日本の古くから伝わる折りたたみ式の腰掛けです。文字通り、床に置いて使う机のような形から、この名が付けられました。今の椅子とは少し違い、座面が低く、足を投げ出して座るのが普通のようです。 その歴史は古く、かつては武士が戦場で用いたり、狩猟や儀式といった様々な場面で活躍していました。床几は持ち運びが容易なため、どこへでも気軽に持ち出すことができたのです。また、使わない時は折りたたんでしまっておけるので、場所を取りません。限られた空間で暮らす日本人にとって、大変便利な道具だったと言えるでしょう。 床几の形は簡素でありながらも洗練されており、日本の伝統的な美意識が感じられます。華美な装飾は無く、木の温もりをそのまま活かした無駄のない作りは、見ているだけでも心が落ち着きます。材料には、主に丈夫で軽い桐が使われてきました。そのため、持ち運びの負担も少ないのです。 現代では、椅子として使う以外にも、飾り台として置物や鉢植えを飾ったり、花台として季節の花を生けたりと、様々な用途で楽しまれています。また、和室だけでなく、洋室に置いても違和感なく空間に馴染むことから、若い世代にも人気が高まっています。 床几は、シンプルな構造と使い勝手の良さ、そして美しさを兼ね備えた、日本の知恵が詰まった道具と言えるでしょう。時代が変わっても、その魅力は色褪せることなく、多くの人々に愛され続けています。