
蛍光灯の心臓部、グローランプの役割
蛍光灯を灯す小さな放電管、それがグローランプです。点灯管やグロースターターといった別名でも呼ばれ、蛍光灯器具の脇に備え付けられています。直径は約1.5cmほどの小さな部品ですが、蛍光灯を点灯させる上で欠かせない役割を担っています。一見地味な存在ながらも、私たちの生活を明るく照らす蛍光灯を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。
グローランプの内部では、蛍光灯を点灯させるために「空中放電」という現象が起きています。これは、グローランプ内部の電極間に高い電圧がかかることで、管内の気体が電気を帯び、発光しながら放電する現象です。この空中放電によって発生する熱が、蛍光灯の電極を温めます。温められた電極からは電子が放出されやすくなり、蛍光灯の内部にある水銀蒸気を励起させます。励起された水銀蒸気は紫外線を放出し、この紫外線が蛍光灯の内側に塗布された蛍光物質に当たることで、私たちが目にする光となって輝き始めるのです。
つまり、グローランプは蛍光灯の点灯に不可欠な始動装置の役割を果たしているのです。グローランプがなければ、蛍光灯の電極は温まらず、蛍光灯を点灯させるための放電も起こりません。家庭やオフィス、学校など、蛍光灯が使用されているあらゆる場所で、グローランプは静かにその役割を果たしています。
近年では、グローランプを使用しない電子点灯方式の蛍光灯も普及していますが、現在でも多くの場所でグローランプ式の蛍光灯が活躍しています。小さな部品ですが、私たちの生活を支える重要な役割を担っていることを改めて認識しておきましょう。