
トルエンと住宅:知っておくべき注意点
トルエンは無色透明で、独特の甘いにおいを持ち、揮発しやすい液体です。シンナーのようなにおいと表現されることもあります。引火性が高いため、火気には十分注意が必要です。
トルエンは、私たちの身の回りにある様々な製品に使われています。例えば、塗料を薄めるためのシンナーや、接着剤、印刷に使うインク、マニキュアの除光液などに含まれています。また、模型作りで使うプラスチックモデル用の接着剤にも含まれていることがあります。工業的には、ガソリンのオクタン価を上げるために使われたり、様々な化学製品の原料として利用されています。
トルエンは便利である一方、人体への影響も懸念されています。高濃度のトルエンを吸い込むと、めまいや頭痛、吐き気などを引き起こすことがあります。長期間、高濃度のトルエンにさらされると、中枢神経系や呼吸器系に影響が出る可能性も指摘されています。そのため、トルエンを含む製品を使う際には、換気を十分に行うことが大切です。また、トルエンは皮膚からも吸収されるため、保護手袋を着用するなどの対策も有効です。
住宅でトルエンを含む製品を使う場合は、使用量を必要最小限にとどめ、使用後はしっかりと蓋を閉めて保管するようにしましょう。特に、小さなお子さんや妊娠中の方、呼吸器系に持病のある方は、トルエンへの曝露を避けるようにすることが大切です。
トルエンは、環境への負荷も懸念されています。大気中に放出されると、光化学スモッグの原因物質となる可能性があります。また、土壌や水質を汚染する可能性もあるため、適切な処理が必要です。廃棄する際には、地方自治体の指示に従って適切に処理するようにしましょう。