
建築素材:ラスボードの基礎知識
ラスボードとは、建物の壁や天井の下地材として使われる石膏ボードの一種です。表面には細かい溝がたくさん刻まれており、これがラスボード最大の特徴です。この溝は、まるで洗濯板のような、あるいは細かい格子状の模様を想像してみてください。
なぜこのような表面加工が施されているかというと、それは仕上げ材をしっかりと固定するためです。壁や天井には、ラスボードの上にモルタルやプラスターといった仕上げ材が塗られます。もし、下地材の表面がツルツルしていると、仕上げ材がうまくくっつかず、剥がれ落ちてしまう可能性があります。そこで、ラスボードの表面に溝を刻むことで、接着する面積を増やし、仕上げ材との結びつきを強固にしているのです。これは、紙を貼る際に、のりしろ部分をギザギザに切って、接着面積を広げるのと同じ原理です。
ラスボードは、石膏を主成分としているため、耐火性に優れているという利点もあります。火災が発生した場合、ラスボードは燃えにくいため、火の広がりを抑える効果が期待できます。また、石膏には音を吸収する性質もあるため、ラスボードは遮音性にも優れています。外の騒音を軽減したり、部屋の音漏れを防いだりする効果があります。
さらに、ラスボードは加工しやすいというメリットもあります。のこぎりやカッターナイフで簡単に切断できるため、現場で必要な大きさに合わせて調整することが容易です。
これらの優れた性能に加えて、ラスボードは比較的安価であるため、建築現場で広く使われています。住宅はもちろん、オフィスビルや商業施設など、様々な建物の construction に欠かせない材料の一つと言えるでしょう。