印紙

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手続き

登記印紙とは?今どうなっているの?

不動産の売買や贈与、住宅ローンなど、不動産に関する様々な手続きには、登記が必要です。登記とは、その不動産の所有者や権利関係などを法務局という国の機関に記録してもらうことです。この登記手続きを行う際に、以前は登記印紙が必要でした。 登記印紙は、登記にかかる手数料を支払ったことを証明する証票のようなものです。金額が印面に印刷されており、登記の申請書類に貼付することで、手数料を納めたことを示していました。ちょうど切手のような役割を果たしていたと言えるでしょう。登記の種類や不動産の価格に応じて、必要な印紙の金額も異なっていました。例えば、所有権移転登記であれば、不動産の評価額が高額になるほど、必要な印紙の金額も大きくなっていました。 登記印紙を利用することで、現金のやり取りを省き、手続きを簡素化することができました。また、印紙の販売記録が残るため、手数料の納付状況を明確に把握でき、透明性の高い手続きを実現することが可能でした。登記印紙は偽造防止のための工夫も凝らされており、登記の信頼性を担保する役割も担っていました。 しかし、2021年4月1日からは、登記印紙は廃止され、収入印紙を利用するか、現金で納付する方法に変更となりました。これは、印紙の購入や貼付の手間を省き、より簡便な手続きを目指すための改革です。登記印紙は過去の制度となりましたが、かつては不動産取引の安全を支える重要な役割を果たしていたと言えるでしょう。