天井構造

記事数:(1)

建築方法

快適な住まい:二重床と二重天井

二重床とは、正式には乾式二重床と言い、建物の構造体となる床スラブの上に、支えとなる脚を立て、その上に床板を敷く工法です。床スラブとは、建物の各階層を区切るコンクリートなどの板のことです。この乾式二重床という工法を用いると、床スラブと床板の間に空間ができます。この空間のおかげで床が二重構造となり、様々な利点が生じます。 まず、この空間は水道管や電線などを収納するスペースとして活用できます。そのため、配管や配線の点検や修理、交換などの工事が容易になります。もしもの時に床を剥がすだけでアクセスできるため、大掛かりな工事は不要です。 次に、床スラブと床板の間の空間は空気の層となるため、断熱材としての役割を果たします。冬は冷たい床からの冷気を遮断し、夏は冷房で冷やした室内の空気を逃がしにくくします。つまり、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるため、光熱費の節約にも繋がります。 さらに、この空間は音を吸収する効果も持っています。子供が走り回ったり、物が落ちたりした時に発生する衝撃音を吸収し、階下に音が伝わりにくくなります。集合住宅では、階下への生活音は大きな問題になりがちですが、二重床は騒音トラブルを減らすのに役立ちます。 最近では、この二重床の空間を換気システムに利用する例も増えてきました。床下の空間に新鮮な空気を取り込み、室内を換気することで、より快適な住環境を実現できます。