揺れ

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揺れの強さを知る:ガルという単位

地震の揺れの勢いを表す指標として、「ガル」という単位があります。 これは、加速度を表す単位で、揺れの激しさを理解する上で重要な役割を担っています。 簡単に言うと、ガルは1秒間にどれくらい速度が変化するかを示すものです。たとえば、100ガルというと、1秒間に速度が100センチメートル毎秒変化することを意味します。つまり、ガル値が大きいほど、揺れが激しいと言えるのです。 たとえば、エレベーターに乗った時のことを想像してみてください。動き始めた瞬間や止まる瞬間に、体にぐっと力が加わる感覚を覚えることがあります。これは、エレベーターが加速または減速しているためです。この時の加速度もガルで表すことができます。 ただし、ガル値が大きいからといって、必ずしも被害が大きいとは限りません。 地震による被害の程度は、加速度だけでなく、揺れの周期や継続時間など、さまざまな要素が複雑に関係しています。 たとえば、同じ100ガルの揺れでも、短時間に急激に揺れる場合と、長い時間ゆっくり揺れる場合では、建物や人体への影響が大きく異なります。 また、建物の構造や地盤の特性によっても、揺れに対する影響は変わってきます。同じガル値の地震でも、地盤が軟弱な場所では揺れが増幅され、被害が大きくなる可能性があります。 ガルは揺れの勢いを測る一つの目安ではありますが、被害の大きさを直接的に示すものではないということを理解しておくことが大切です。地震のニュースなどでガル値が報じられた際には、他の情報と合わせて総合的に判断するようにしましょう。
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震度を知って、地震に備えよう

地震の揺れの強さを表す尺度として、震度があります。地震は、地下深くで大地が急にずれ動くことで発生し、その際に生じた振動が波のように地面を伝わって広がります。この波が私たちの住む場所に届いたときの揺れの強さを数値で表したものが震度です。 震度は0から7までの10段階で表現され、揺れがほとんど感じられない震度0から、立っていることができないほどの非常に激しい揺れとなる震度7まで細かく分類されています。震度1では、一部の人が揺れを感じる程度ですが、震度4になると、ほとんどの人が揺れを感じ、棚にある物が落ちたり、歩行に困難を感じることもあります。さらに震度5では、壁にひびが入ったり、墓石が倒れるなどの被害が出始めます。そして震度6では、耐震性の低い建物が倒壊するなど、大きな被害が発生します。震度7に至っては、ほとんどの建物が倒壊し、山崩れや地割れなどの大規模な災害が起こることもあります。 震度と地震の規模を表すマグニチュードは異なるものです。マグニチュードは地震そのもののエネルギーの大きさを示すのに対し、震度は特定の場所における揺れの強さを示します。同じ地震でも、震源からの距離や、地盤の固さ、建物の構造などによって、体感する揺れの強さは異なり、震度も違ってきます。震源に近い場所ほど震度は大きくなりますし、地盤が柔らかい場所では揺れが増幅されるため、震度が大きくなる傾向があります。また、同じ震度であっても、建物の耐震性によって被害の程度は大きく変わります。 地震が発生した際に速やかに震度情報を知ることができれば、身の安全を守るための行動をとる判断材料になります。緊急地震速報や、テレビ、ラジオ、インターネットなどを通して提供される震度情報に注意し、適切な行動をとるようにしましょう。