激震

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防災

激震、かつての最大震度

激震とは、かつて日本で使われていた地震の揺れの強さを示す言葉です。今でいう震度に当たるものですが、計測方法が大きく異なっていました。現在の地震計による計測とは違い、主に被害の状況から判断されていたのです。気象庁が公式に用いていた言葉であり、人々の暮らしに甚大な被害を与える、非常に激しい揺れを指していました。 具体的には、家屋の倒壊率が3割以上に達するような状況です。想像してみてください。あたり一面の家々が倒壊し、瓦礫の山と化している光景を。これはまさに、大地の猛威を目の当たりにする、恐ろしい出来事だったと言えるでしょう。さらに、激震は家屋への被害だけでなく、大地そのものにも大きな変動をもたらしました。山崩れや地割れ、断層の発生なども、激震に伴う現象として認識されていたのです。山が崩れ落ち、大地が裂け、地層がずれ動く。人々の生活の基盤である建物や土地が、激震によって大きく損なわれてしまうのです。 当時の地震計や観測技術では、現在の様に詳細な震度の計測は難しかったのです。そのため、揺れそのものを数値で測るのではなく、結果として現れた被害状況から、揺れの大きさを推定せざるを得ませんでした。家屋の倒壊率や、山崩れの規模など、目に見える被害の状況が、激震という言葉で表現されていたのです。激震という言葉からは、科学的な計測に基づいたものではなく、人々が実際に体験した恐怖や、目の当たりにした被害の甚大さが強く感じられます。