火災温度

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防災

火災温度と建物の安全

火災温度とは、火災が起きてからの時間の流れとともに移り変わる温度のことを言います。火事が起きると、部屋の中の温度はあっという間に上がります。火事の大きさや燃えている物によって温度の変化は様々ですが、よくある家屋での火事では、火事が起きてから5分から10分くらいで部屋の中の温度はだいたい500度くらいまで上がると言われています。そして、火事で発生した燃えやすいガスに火がついた場合は、さらに温度は上がり、一瞬で1000度近くまで達することもあります。このような高い温度になるため、火事現場では激しい炎や熱だけでなく、煙や体に悪いガスも発生し、命や財産に大きな被害をもたらします。 火災温度について正しく理解することは、火事の危険性を認識し、適切な火事を防ぐ対策を立てる上でとても大切です。例えば、500度という温度は、鉄やアルミなどの金属を溶かすほどの高温です。このような高温下では、家屋の構造材は強度を失い、倒壊する危険性が高まります。また、1000度近くまで達するような急激な温度上昇は、爆発的な燃焼、いわゆるフラッシュオーバーを引き起こす可能性があります。フラッシュオーバーは、部屋の中に充満した可燃性ガスに一気に引火し、爆発的に燃え広がる現象で、非常に危険です。 火災温度を理解することで、火災の恐ろしさを改めて認識し、日頃から火の元の管理や避難経路の確保など、火災予防に努めることが重要です。また、火災が発生した場合には、決して消火しようとせずに、すぐに避難することが大切です。初期消火を試みることで、避難のタイミングを逃し、逃げ遅れてしまうケースも少なくありません。自分の命を守るためにも、火災温度の知識を深め、適切な行動をとるように心がけましょう。