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パーライト板:建材のメリット・デメリット

パーライト板とは、建物の壁や天井などに使われる薄い板状の建築材料です。主な材料は、火山岩の一種であるパーライトと、セメント、そしてかつて広く使われていた石綿です。現在では、石綿の健康への影響が懸念されるようになり、石綿を含まないパーライト板も製造されています。パーライト板は、私たちの暮らしを支える上で、快適さと安全性を提供するという重要な役割を担っています。まず、火に強いという特性から、火災が発生した場合でも延焼を防ぎ、被害を最小限に抑えるのに役立ちます。また、音を伝えにくい性質を持っているため、隣室や外部からの騒音を軽減し、静かな居住空間を実現します。さらに、熱を遮断する性能にも優れているため、室内の温度を一定に保ち、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。これらの特性により、集合住宅をはじめとする多くの建物で利用されています。施工のしやすさもパーライト板の大きな利点です。比較的軽量で、加工も容易なため、建築現場での作業効率を高めることができます。また、他の建築材料と比べて安価であるため、建築コストの削減にも貢献しています。パーライト板は建物の内壁だけでなく、外壁にも使用されます。外壁に用いることで、建物の断熱性を高め、冷暖房効率を向上させる効果が期待できます。これは、省エネルギーにもつながり、環境への負荷軽減にも貢献します。さらに、外壁材として使用することで、建物の外観を美しく整えることも可能です。様々な色や模様のパーライト板が製造されているため、建物のデザインに合わせて最適なものを選択できます。
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石綿スレート板:適切な処理で安全確保

石綿スレート板は、セメントに石綿という繊維を混ぜ、水を加えて練り合わせ、圧縮して板状に固めた建築材料です。石綿は、天然の鉱物繊維で、熱に強く、燃えにくいため、防火性や耐熱性に優れているという特徴があります。また、耐久性も高く、価格も安価だったため、かつては屋根や外壁、内装材など、建物の様々な部分で広く使われていました。別名、アスベスト板とも呼ばれています。しかし、のちに石綿が人体に深刻な健康被害を及ぼすことが明らかになりました。石綿の細かい繊維を吸い込むと、肺などに蓄積し、長い年月を経て肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす危険性があります。このため、現在では石綿を含む建材の製造、使用、販売、そして輸入は法律で禁止されています。古い建物に石綿スレート板が使われている場合は、特に注意が必要です。年月が経つと、風雨や紫外線などの影響で、石綿スレート板の表面が劣化し、剥がれたり、ひび割れたりすることがあります。その際に、板の中に含まれる石綿繊維が空気中に飛散し、周辺環境を汚染する可能性があります。飛散した石綿繊維を吸い込んでしまうと、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。そのため、石綿スレート板の劣化が見つかった場合は、専門の業者に相談し、適切な処理を行うことが重要です。特に、建物の解体や改修工事を行う際には、石綿の飛散を防ぐための厳格な手順を踏む必要があります。作業員は防護服を着て、専用の機材を使用して、石綿スレート板を丁寧に除去しなければなりません。除去した石綿スレート板は、法律で定められた方法で処分する必要があります。石綿スレート板の取り扱いには専門的な知識と技術が必要ですので、決して自分で行わず、必ず専門業者に依頼するようにしてください。