請負契約

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契約

建設工事請負契約の基礎知識

家やマンションを建てる、あるいは古くなった建物を新しくする時、必ず工事を行う必要があります。その工事を誰に頼み、どのような約束で進めていくのかを定めたものが、工事請負契約です。これは、文字通り工事を請け負うという契約のことで、建物を建てる際の工事請負契約書、または建物を新しくする際の工事請負契約書など、様々な呼び名があります。 この契約は、施主となる人と工事を行う人との間で結ばれる、とても大切な約束事です。具体的には、どのような建物を建てるのか、あるいはどのように新しくするのかといった工事の内容はもちろん、工事にかかる費用や工事の完成予定日などを細かく定めます。工事の費用には、材料費や人件費だけでなく、工事に関わる様々な費用が含まれます。また、工事中に予期せぬ出来事が起きた場合の対応なども、この契約の中で取り決めておきます。 工事請負契約を結ぶ一番の目的は、後々のトラブルを防ぐことです。工事の内容や費用、工期などが明確に書面で残されているため、言った言わないといった水掛け論を防ぐことができます。もしも工事中に変更事項が発生した場合でも、契約に基づいて話し合いを進めることができます。 この契約は、家づくりにおける設計図のようなものと言えるでしょう。設計図が家づくりの指針となるように、工事請負契約は工事全体をスムーズに進めるための道しるべとなります。安心して家づくりを進めるためにも、契約の内容をしっかりと理解し、不明な点があれば必ず確認することが重要です。
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準委任契約:知っておくべき基礎知識

『準委任契約』とは、人の代わりに、法律行為ではない事務処理をお願いし、引き受けてもらうことで成立する約束事です。よく似た『委任契約』と混同されやすいですが、委任契約が法的効力を持つ行為を頼むものに対し、準委任契約は法的効力を持たない、日常的な事務処理をお願いするものです。 具体例を挙げると、家の掃除や洗濯、食事の用意といった家事の手伝い、ペットの散歩や餌やり、習い事の教室での指導、お年寄りの身の回りのお世話などが、準委任契約に当てはまります。これらの仕事に共通するのは、決められた作業を行うこと自体が目的であり、具体的な成果を出すことではない、という点です。 例えば、家事の手伝いを頼む場合、部屋をきれいに掃除すること自体が目的であり、必ずしも「塵一つない完璧な部屋」という結果を求めているわけではありません。また、習い事の教室であれば、生徒に技能や知識を教えること自体が目的であり、必ずしも試験の合格やコンクールでの入賞といった結果を保証するものではありません。高齢者の介護も、日常生活の支援をすること自体が大切なのであって、必ずしも健康状態の改善を約束するものではありません。 このように、準委任契約は結果よりも、作業を行う過程を重視する契約と言えるでしょう。家事代行サービスの利用や、ペットシッターへの依頼、学習塾や家庭教師への指導依頼、介護サービスの利用など、私たちの身近には準委任契約にあたるものがたくさんあります。どのような事務処理を頼み、どのような作業をしてもらうのか、当事者間でしっかりと内容を確認しておくことが大切です。