
バリアフリー住宅:誰もが快適に暮らせる住まい
『バリアフリー』とは、暮らしの中の様々な『壁』を取り除くことを意味します。ここで言う『壁』とは、物理的なものだけではありません。段差や狭い通路といった物理的な『壁』だけでなく、規則や仕組み、社会全体の考え方、人々の心の中にあるものまで、様々なものが含まれます。
たとえば、車いすで移動する際に、段差は物理的な『壁』となります。また、利用しにくいサービスや制度は制度的な『壁』、そして、障害のある人に向けられる偏見や差別は、心の『壁』と言えるでしょう。これらの『壁』を取り除き、誰もが暮らしやすい社会を作っていくことが、バリアフリーの考え方です。
バリアフリーの恩恵を受けるのは、高齢者や障害のある人だけではありません。妊娠中の人や小さな子どもを連れた人、けがをしている人など、様々な人が暮らしやすくなります。また、将来、自分自身が年を重ねた時や、病気やけがをした時にも、バリアフリー化された環境は大きな助けとなるでしょう。
バリアフリーは、特定の人のためだけのものではなく、あらゆる人にとって暮らしやすい環境を作るための取り組みです。たとえば、通路の幅を広くすることで、車いすの人は移動しやすくなりますが、同時に、ベビーカーを押す人や大きな荷物を持った人にとっても便利になります。また、公共施設への音声案内や点字表示は、視覚に障害のある人だけでなく、初めてその場所を訪れる人にとっても役立ちます。このように、バリアフリーは、すべての人が暮らしやすい、より良い社会を作るための大切な考え方なのです。